またフタリ恋をする【3】 ページ26
それは突然だった。
「磯、貝くん……！！」
磯貝くんが事故に遭った。
なんで、また私は……。
初めてだった。
磯貝くんに会うだけで、話すだけで、触れるだけで、私は幸せだった。
あのとき我が儘になれば良かったんだ……。
あのとき『もっと一緒に居て！』そう言えていたら良かったんだ……。
また私は後悔する。
私は磯貝くんの病室に居た。
その時、
「あれ……」
磯貝くんの声がして磯貝くんに目を向けると、磯貝くんは目を覚ましていた。
私は思わず抱き付く。
「磯貝くん！良かった……」
でもやっぱり私に¨幸せ¨なんて言葉は程遠いらしい。
久しぶりに見る磯貝くんの目は怯えていた。
「磯貝、くん？」
磯貝くんはただ一言だけ言った。
「誰、ですか……？」
「え……？何、言ってるの……？」
「すみません……俺と何の関わりがあったんですか……？」
そんなの言われたら、なんて答えれば良いのかわからないよ……っ！
「あ、私！鈴木Aって言います！」
涙こらえて必死に作った笑顔は、ちゃんと笑えてますか？
でも私はもう泣けない。
「鈴木、Aさん？……すみません、わからないです……」
「そっか……一応、か……と、友達やらせてもらってました！」
「え、そんな……！すみません…」
「ううん！気にしないで！」
だって、私だけが辛い訳じゃない。
磯貝くんも同じだから……
「だからゆっくり一つ一つ思い出していこっ！」
「はい！」
私は笑えてるか心配だけど、磯貝くんが笑えてるならそれでいい。
君と初めてした恋だから。
それを辛い思い出にだけはしたくないから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琉夏 - とても、おもしろかったです！！ (2017年8月30日 12時) (
レス) id: ef0bffe9e7 (このIDを非表示/違反報告)
実月 - ゆぅぅぅーくぅぅぅぅぅぅん！！ (2015年7月4日 9時) (レス) id: d00f50eaa1 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 藍楽(プロフ) - ゆるそらさん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2015年6月27日 15時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
ゆるそら(プロフ) - 完結?おめでとうございます！！面白かったです！他の作品も更新がんばってください！！！ (2015年6月27日 13時) (レス) id: 081e9ac8d7 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 藍楽(プロフ) - ユズナさん» あ、そうでした！！？教えていただきありがとうございました！！すぐ直してきます！ (2015年5月16日 22時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木戸藍楽
| 作成日時：2015年3月31日 17時
