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「あ、そう言えば新一には言ってなかったっけ?」
不意に蘭の声が聞こえたので顔を上げる。
悪戯っ子のように微笑んでいることが妙に違和感として残るが、次の瞬間にはその表情の答えに気付いてしまうのだった。
「ん、なにを?」
「実はねー、現地集合は京極さんだけじゃないんだよ!」
いまいち蘭の真意を掴めていないキッドが首を傾げるのも無理はない。
なんたって、俺らですらアイツに会うのは久しぶりになるのだから。
『おーい!』
声の方にキッドが顔を向けるのと、金色の毛玉がヤツに向かって突進したのは殆ど同時だ。
驚きよろけながらも体勢を崩さなかったキッドにアイツは不満気な声を上げるのだ。
『おっかしいなー? 此処は新一が転んで私がマウント取る感じをイメージしてたんだけど』
「なっ、ななな!」
『うーん。イメージ通りにはいかないってことか! まあいいや、久しぶりね新一!』
顔を上げ、“にぱっ”という効果音が付きそうなほど明るく笑うヤツに見覚えしかなかった。
彼女の名はA=フォスターと言い、園子がきっかけで知り合った子だ。
世界的に有名なジュエリーブランド“BLISS.F”の会長の一人娘であって、園子に劣らずのお嬢様だ。
嬉しさを現わすようにぴょんぴょん飛び跳ねる姿に相変わらずだと苦笑いを浮かべてしまう。腰まで伸び柔らかいウェーブのかかったプラチナブロンドは跳ねる度に風に遊ばれ、彼女の天真爛漫さを現わすように明るく輝くのだ。
Aは硬直するキッドの様子に気付かないまま軽くハグをし、頬へと口付けた。誰よりもスキンシップの激しい彼女は長年海外に住んでいた癖が抜けていないようだった。
「(はははっ、Aのやつは相変わらずだな)」
内心で空笑いする俺と、なんの反応も示さずに呆けているキッド。
そんな俺らを放って蘭へと向かっていったAに相変わらずという言葉が一番しっくり来るだろう。
時折、年下ではないとかと思う程に幼い言動の目立つ彼女は俺らにとって友人のような妹のような感覚を与える。
……
新一→A
鈍感、バカっぽい、明るく笑顔で憎めない大切な友人
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました! ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか? (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎 | 作成日時:2019年4月19日 22時