華麗なる奇術師たち 3【怪盗キッド】

106:秘密の入り口 ページ10

「焦ってねーよ
マジで冗談抜きでいつでも来いよ

俺待ってるから」



「え///うん」

(何だろ、今ドキッてした……)



「こんなにさらけ出していられるのオメーぐらいしかいねーしな」


(本人はなんとも思ってないみたいだけど
……私的には恥ずかしいこといったように感じたんだけどな……)



なんとなく私はひとり気恥ずかしくなって
本棚に近寄って背表紙を眺める
勿論教科書や辞典もおいてはいるけれど



「やっぱ、マジックの本もあるね」

「まあな、やっぱり基礎って大事だし
トリックとか行き詰ったときには
ペラペラとめくってみてると
案外関係ないトリックで閃いたりするからな」


「そっか
そういう風に使ってるんだ
応用が利くと幅が広がるよね

ってか何気に物理とかの本もある」



「それも勉強用じゃなくてトリック用
結構使えるんだぜ」

「真面目だなあ
あ、わかった
たまに熱心に読んでる本って…」

「大体はトリックに関係する本だな」


「勉強できるけど、歴史とか関係性がないと思うものほど、
あんまり興味なさそう」



「いやそんなことねーんだよ、それが
それこそ鈴木のじーさんが持ってるお宝の中に
佐水吉右衛門が作ったからくりは幕末だからなあ

こないだなんか鉄タヌキって呼ばれる金庫を
俺に開けさせたんだぜ」


「どおりで金庫についての本もある笑」


「もうなんでもありなんだよな

まっ、それはいいんだ
17時くらいに
母さんと連絡とるからそれまで
此処で遊んでよーぜ……って



Aどうかしたか？」




「え？……んーん、何でもないよ
朝色々忙しかったのによく頑張ったなぁと」



「まだいってるぞコイツ笑」


「いや、冗談抜きで感心してる

此処って快斗の部屋？」



「ちげーよ、所謂マジックルームってやつ」



「何処に？」

「ちょっとこっちこいよ」

彼は私を手招きするとコツコツと壁にある額縁に飾ってある写真を軽くノックした
彼は…快斗のお父さん、マジシャンの盗一さんが写っている



「どういうこと？」

近寄りつつもあまり理解できてなくて首をかしげる


「此処が繋がってんだよ

……俺も初めてそれ知ったときは驚いたぜ…
なんとなくこれに触ってたらいきなりこーやってー…」



と急に彼の腕に抱き寄せられた



「なっ////」


「不思議な部屋に」


耳元近くで声がしたと思ったら体が宙に浮いて
目の前に写真がいっぱいに広がって


「ひゃっ……！！！」


《迷いこんでしまったからなっ》

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