華麗なる奇術師たち 3【怪盗キッド】

135:矛盾 ページ39

Kaito Side

俺はAの兄について
不穏な情報を得てから
彼女のことを誰か狙ってないか大丈夫か
気になってしょうがない

側にいる今は大丈夫だと思いながらも
このさえ兄のことを忘れてほしいと思うくらい
危険な目にあわせたくない


そのくせ彼女に今危険な目にあう可能性があるもいうことを言いたくないのだ

矛盾していると思いつつも、
なにも変わらない、
彼女のままでいてほしいと願ってしまう

青子のこととか、学校に行くこととかを
気にしなくていいことや焦らなくていいことだと言いたくなるのだが、
余計なこと言うかもしれないと言いよどむ


(なんでもいいんだ、
今は明日を成功させることと、
名探偵に会うこと

アイツなら絶対知っている
俺は関わりたくなかったのに
ミステリートレインで
無理矢理付き合わさせられたんだ

詳細を聞くことぐらい許されるよな)

そう簡単に口を割らないのは分かるが
意外な事実に焦りを感じている


(A、今この危険性があって、なにもわからない段階だから、あまり行動範囲を広げてほしくないんだ)

「坊っちゃま、悩んでいらっしゃいますか
A様はどうやらしっかり寝られているようでしたよ」

寺井ちゃんに、寝にくくて寝れなさそうなら何か暖かい飲み物でも渡してあげてくれと言っておいたのだが、どうやら必要なかったようだ

「そうか、ならいいんだ
不必要に彼女を恐がらせなくないんだ」

「坊っちゃま、お気持ちは分かりますが、
彼女も自分の危険は察知しなければなりませぬ、彼女のためにも何か話さなくては聞けないのなら話すべきだと、寺井は思います」

寺井ちゃんは、たまにこう強い口調でおしてくるときがあるのだ

「坊っちゃま」

「分かってる」


気が重い
俺の推測が合っていれば、
名探偵の敵と、Aの兄に関わりがある
それを言わなくてはならないのだ

「寺井ちゃん、名探偵に依頼すればいいんじゃないか？

多分アイツのことだから事件性がある、頼まれ事は断りにくいだろうし、
多分情報を欲しいだろうからな」

「あの少年はそんなに信用していいのでしょうか」

「…なんか俺が勝手に使われていること多いから、これくらいどうってことないだろ」

「はぁ…」
何故か敵に依頼を頼むという
矛盾な計画が練られたのだった

**********


「かいとーーーー！！！！
おきなさーーーーい、！！！！

あ、さ、だ、よーーーーー！！！」

久しぶりにあの馬鹿デカイ声に起こされたのだった

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