華麗なる奇術師たち 3【怪盗キッド】

131:情報入手ルート ページ35

「A、ちょっと独りで考えたいから
呼ぶまでここで待っててくれないか？」
彼の部屋に着き、
パソコンを触ってデータを確認すると
彼はどうやらお父さんの部屋に行くようだ

「うん、分かった
ちょっとさっきの動画とか見てるね」

見るべきところも多分あるだろうし
なにか見つけられたら対策が取りやすくなる
とりあえずなにか出来ることをしようと思った

「ありがとう、頼むぜ」
そういうと彼のお父さんの部屋に吸い込まれていった

ところがふとスマホが置きっぱなしなのに気付いた
いきなりなり始めたから
相手だけ、とちらっと見てみた
『青子』とうつされていた

(おっと…みてはいけなかったのかな？
っていうか、そういえば隣なんだよね、彼女の家って
…ということはさっき電気ついて、快斗がここにいるってふんで
電話してきたとかかな？

良かった、カーテン開けっ放しにしてなくて
見つかったらなんか大変なことになりそうだもの)

ちょっと経って、鳴りやんだから安心していたのに
また鳴り始めて焦りだす

(どうすればいいのかな
彼に知らせるべき？)



こんなに近くに住んでいるということは
あの警部とも近いってことになる

(もしかして、本人から定期的に情報を得てるとかないよな…
ありそうだなあ

…それにしても電話鳴りやまないなあ…)

みかねて入り口にスマホを持っていき
押して少し空間を開けて、音量をＭＡＸにして響かせた

「だめかな？」

途方に暮れていると、寺井ちゃんが部屋に来た

「スマートフォンの音が聞こえると思ったら
おやこれは坊っちゃまのですか？」

「そうなんだけど
この部屋に忘れて行ってしまってて
電話が鳴ってたから、なんとか気付かないかなって思って

ここの電気ついてるから、ここにいるって
多分知っているんじゃないかなって」

「青子様ですか…確かにそうかもしれません」
そういうと私からスマホを受け取り、

「A様、少し窮屈な思いをさせてしまって
申し訳ございません」

「え、いやそんなことは
大丈夫だよ」

「とりあえずここにこれが置きっぱなしだと
此処に居づらいと思われますので、坊っちゃまにこれを」
そういうとなにやら緩衝材が入っている袋を見つけてきて
中に入れて、扉から投げ入れた

「え、」

「お気になさらず、あの袋はそういうための袋ですので
着地地点もソファの上と聞いているので問題ないでしょう」

「確かに…
彼、中森家から直接情報を入手しているんですか？」

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