86:焦り ページ37
「………」
なんとなくいいたいことはわかるけれど
どうして彼が、そんな自分が情けないとでもいうような表情をするのだろう
私も何も言えなくなってしまった
「オメーがそれに触れたら
オメーの中に悪夢が消える
…そうなれば俺は…
Aを悪夢から助ける必要もなくなる………」
彼の目が真っ直ぐと私を捕える
その目になにか力を感じた
少し緊張した面持ちを彼が醸し出しているからだろうか
「Aに
もう必要とされなくなるかもしれない……って」
「は!!?… んぐっ…」
急に変なことを言われたからビックリして声が裏返ってしまった
思わぬ声に思わず口を手でふさぎ、落ち着く
「なにそれ…そんなわけないじゃん」
「まぁ、俺が思っているより元々そこまで必要とされてないかもしれないけれどな」
彼が寂しげにいう
「な、何勝手に決め付けてるの!
…私そんなこと思ってない!!」
彼からこんな言葉が出るなんて
私は予想も出来なかった
私は聞き捨てならない彼の言葉に、一瞬声を荒げたが、彼のその表情をみて、いつの間にか強く言えなくなっていた
「…私、そんなこと思ってないよ…?」
なんだか少しだけすれ違っているような気がして、切なく感じてしまった
「……だから、俺はAに渡すことなく
白馬に投げ渡した
自分の欲望のままにな」
ちょっと互いの間に沈黙ができたなか、彼がポツリといった
「よ、欲望って……大袈裟だよ」
「そんなことねーんだよ
Aを守るのは……俺ひとりで十分だ
あんな宝石もいらない
アイツにも譲らない…」
「え!?、はぁ!?
…ちょっ、ちょっと待って
何?だ、誰が?
………ぇ、どういうこと?」
(アイツって誰よ!?)
私は今確実に別のところで、彼が話してることを察知する
何が何か分かんなくなって焦った私に
彼がやけに優しく笑いかけるようにみえた
「誰って………
そんなの、一人しかいねーだろ?笑笑」
その表情が凄く大人びて見えて
でもまた少し寂しそうな感じもして…
(何で?………なんでそんな風に私をみるの?)
まるで今から最後で、お別れかと思ってしまうほどの雰囲気があってもおかしくない
とりあえずどうにかして彼のその寂しそうなのを止めさせたいのだが…
本能的に原因は自分にあるとわかっていながら、どうすればいいのかわからない自分に歯がゆさを感じた
「あー、もう本当、わかんねーんかなぁ…
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(名前)ラズリー(プロフ) - すかたん@小説書いてるおさん» 頑張れっp(^-^)q応援してる 私も更新頑張るっ (2015年6月12日 23時) (レス) id: 607bffb9fa (このIDを非表示/違反報告)
すかたん@小説書いてるお - (名前)ラズリーさん» 期末が嫌だああああぁ。相変わらず、私は占ツクをするけどね! (2015年6月12日 22時) (レス) id: 70ea24cba4 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ラズリー(プロフ) - そっか……もう期末なんだ 私の地元はつい最近中間終わったって聞いたよ?中2ね…私歳は言わなくて正解だったかもf(^_^;若いっていいな (2015年6月11日 20時) (レス) id: 607bffb9fa (このIDを非表示/違反報告)
すかたん@小説書いてるお - (名前)ラズリーさん» なるなる。私は中2だよ!もうすぐ期末っ(><) (2015年6月11日 18時) (レス) id: 70ea24cba4 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ラズリー(プロフ) - すかたん@小説書いてるおさん» と、年ですか………えっと…恥ずかしいので…そうだな、脱ゆとり世代です…だめかな…f(^_^; (2015年6月11日 10時) (レス) id: 607bffb9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラズリー | 作成日時:2015年3月18日 23時