華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

23:KIDのもくろみ ページ23

(どっちにしろ、ショーやるなら俺より束縛時間が多くて、睡眠不足なのかもしれない…
親父もショーの日は、ほぼ丸一日つきっきりだったし
RUIはほぼ毎日のようにどこかでマジックを披露しているってきくから、働き過ぎかもな
まだ高校生なのに、重労働ってやつだな、可哀想に)

知らない間に彼女の髪に触れていた
すると身動ぎして慌てて手を引っ込める

ゆっくり瞼が開いた…

(おっと笑笑
こっちも準備しないとな
彼女に観念してもらわないと…
正体暴く絶好のチャンスだからな♪
ぁ、そういえばメガネ…倒れたときに外れたままだ 、一応持ってきたけど


…メガネはずしてこうみるとRUIとそっくりだよな…
ってか同一人物だし
何で今まで気付かなかったんだろう)

俺は彼女の正体を暴くために準備をしながら
若干、人の弱い時に狙って可哀想だと思った
でももしかしたら自分と似たような理由を
彼女も抱えているんじゃないかと知りたかった




A side

(ぁ、あれ？……ここ、は？


目を開けると真っ白な天井…
だけど此所…学校だよね？
無機質な真っ白いベッドだし…保健室？


私はあれからどうなったんだっけ…？
眠たくて…で、
そう、資料集をロッカーに忘れて走って…)

記憶をたどっていったら思い出した
少しまだ頭痛がする

(私…倒れた？

あまりに疲れて遂には……倒れた？
嘘…寝不足かなぁ…やってしまったなぁ)


記憶が鮮明になった途端、
自分の倒れたことに動揺して慌てて起き上がる


(…!!!)

頭がクラッとして力なく再び寝てしまう
(あ、やっぱり頭が痛い…)


無意識で片目を閉じてしまうほどだ
開いている目で周りを見渡す
誰もいない…というかベッドの仕切りがしてあってみえない



「相当お疲れのご様子ですね」
と声が聞こえた


(え？)


いきなり目の前が真っ白な布に覆われたと思ったら、昨日初めて仕事として会ったKIDがいた



「…KID」


「はい、KIDです」


「…何で？」


「何で？って…急にお倒れになりましたから
…それに昨日、お会いしたときも、
あのあとも…

お元気が無いように思われたもので…
…とても心配で……
きっと過労なのでしょう？」


「……あ、
ってか過労なんだ……仕方ないのかな…
会見終わったの１時だし
家に帰ってきたの２時半…


過労……寝不足……はぁ…」

(マジか……いつか倒れるんじゃないか
なんて思ったりもしたけど…
でもまだ高校生で体力とかまだあるはず
なんて思ってたのがいけなかったのだろうか)

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