第３５１話 ページ22
「こんなもんかな」
時限爆弾を含め、私が頼まれていたものをすべて完成させたのはそれから4日後の昼のことだった。
徹夜したわけではないし、適度にサボっていたらこんなに時間が経ってしまったのだ。
窓から差し込んでくる太陽の日差しはとても温かそうだ。でも週末は台風か。
「終わったよ、と」
快斗にメッセージアプリで連絡を取り、伸びをしてソファに倒れこむ。
爆弾作れるよなんて安請け合いするもんじゃなかった。次回からは組織から盗んでこよう、と後悔。
「組織……あ、拳銃いい加減返さないとな」
ポケットに手を突っ込み、拳銃をーーあれ、ない？
違うポケットを探っても、自分の荷物を漁ってもそれらしきものは見つからなかった。
どこかに落としただろうか。最近出かけたのはアキバとあの例のお堂くらいだし。
んーでも、アキバの帰りには持ってた気がするけどな……？
「No way……」
取られるとしたら快斗くらいだ。快斗なら抜き取る機会はいつでもあったはずだ。
でもなんで快斗が拳銃なんか手にする必要がある？
怪盗キッドは人殺しはしないんだし。それにトランプ銃だって持ってるじゃないか。
うーんと顎に手を当てて考えるが、答えは見つからない。
ついでに火薬の匂いが指先から匂ってなんだか気持ちわるくなった。
「Eh, whatever」
私はソファから立ち上がって拳銃のことを考えるのをやめた。
十中八九持ってるのは快斗だろう。だったらあとでいい。
この麒麟の角の件が終わった時にそれとなく聞いてみればいいか。
手を洗って、リビングに戻ると丁度スマホに快斗からの返事が来ていた。
＊ ＊
皆眠たい5時間目の数�兇了�間。スマホに一件の通知が入る。
誰だ授業中にメッセージを送る奴なんて……と思ったがAからだった。
『終わったよ』
短いメッセージと無料で配信されているスタンプが送られていた。
よーやくか、と心の中でほくそ笑み、授業を受けるふりをしながら計画の最終チェックを脳内で行う。
これがこうで、あれがああで、そうなって……こうなって。
気がかりなのは台風で麒麟の角を月の光にかざせない可能性があることだ。
予報なら盗み終わる時間にはきっと台風も過ぎ去っている頃だろうが、少し心配だ。
「……快斗、快斗！」
「え？」
「プリント、ほら、はい！」
「あ……わりぃ」
まあでも今回はAも帰ってきてくれて、色々手伝ってくれてんだ。
ショーを失敗させるわけにはいかないさ、と口角を上げる。
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匿名 - 初めまして。楽しく読まさせて頂いています。一つ尋ねたいのですが195話で言っていた「零」シリーズ？はどこに行ってしまったのでしょうか？読みたいのですが見当たらなく…もし公開していないのであればぜひ公開してほしいです。宜しくお願いします。 (2022年1月11日 19時) (
レス) id: 0d9a3fa9b5 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - とっても面白いです。続きを楽しみにしてます。 (2021年6月26日 20時) (レス) id: 2e973fc2c9 (このIDを非表示/違反報告)
pandahero(プロフ) - もしこのサイトを開く機会があれば、またほかのサイトで書くことがありましたら、ぜひまた読ませてもらいたいと願うほど、本当に素敵な作品でした。ありがとうございます (2021年5月12日 12時) (レス) id: 6df71f9a53 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 本当にとても面白かったです！更新待ってます!!! (2020年8月5日 22時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - ただの純愛じゃなくて、少しドロドロ？してて面白いです！組織がやってることブッ飛んでるな、とか思いつつ笑 快斗と主人公がこれからどうなるのか、組織にまたまた捕まってしまうのか展開が楽しみです！更新楽しみにしてます！ (2020年5月28日 23時) (レス) id: 9f6637cdbb (このIDを非表示/違反報告)
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