第331話 キッドVS四神探偵団編 ページ2
そんなこんなで快斗の元に帰って来て数日が経った。以前よりーーその離れる前よりは彼とのスキンシップはだいぶ減ったが、抱き枕のように一緒に寝たり、何かの都合で私が元の体に戻らなくちゃならない時は口づけをしたりした。まるで引き伸ばされた週刊連載のラブコメのよう。とはいえ関係がはっきりしたぶん、妙に照れくさい感じが残る。
今更ながら、だが。
必要なものはだいたいネットで購入して、以前の通り悠々自適な引きこもりライフを送っている。自ら進んで引きこもりたいわけではないが、なにぶんパンドラの情報も、パンドラを狙う組織の情報もうまく手に入らないため、どうしようもない。
何か起こるとしたらーーそう、怪盗キッド宛に挑戦状でも届かない限り、私は特に何も行動することがない。何か面白い記事はないだろうかと、ネットサーフィンを再開しようとしたところで玄関のドアが開く音がした。もう帰ってくる時間か。
「ただいま」
「……なんか機嫌良さそうだね?」
帰って来た快斗はニヤニヤと笑みを浮かべつつも少年のように無邪気な目だった。なんか、そう、例えるなら、怪盗キッドの時の、目。
「おもしれーもん、見つけたんだ」
「ビッグジュエル?」
「そーう。多分明日の朝のニュースで報道されんだろうけど、一社だけ夕刊で報じてるところがあった」
「へえ」
快斗は学ランを脱いで、ソファに座る。そしてスマホを出して私に画面を見せた。画面に映る記事の見出しを私は読み上げる。
「【山寺に巨大な琥珀。『麒麟の角』見つかる】」
「そう。おそらくこれはビッグジュエルだ」
「へえこんな山奥のお寺にビッグジュエルが眠っているもんなんだね」
「絡繰屋敷もそうだったしな、あの組織が知らないところにも案外パンドラは転がってるかもしんねーし」
絡繰屋敷ーーもうなんだかずいぶん前の話のようだ。あの時は確か、ええっと工藤新一ーー江戸川コナンにも会ったんだっけ。と思い起こして、快斗との間に何があったかまでも思い出してしまい、考えるのをやめた。
「でもどうせ、このビッグジュエルも鈴木財閥行きじゃない?」
「……だろうな。と言うことは怪盗キッドを捕まえるための餌としてぶら下げてくるに決まってる」
「It is like a moth flying into the flame……」
「なんか言ったか?」
私はなんでもないと言ってビックジュエルが見つかったお寺のことを調べる。普通のお寺というわけではなさそうだ。
「ま、鈴木相談役が動いてからが勝負だ」
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匿名 - 初めまして。楽しく読まさせて頂いています。一つ尋ねたいのですが195話で言っていた「零」シリーズ?はどこに行ってしまったのでしょうか?読みたいのですが見当たらなく…もし公開していないのであればぜひ公開してほしいです。宜しくお願いします。 (2022年1月11日 19時) (レス) id: 0d9a3fa9b5 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - とっても面白いです。続きを楽しみにしてます。 (2021年6月26日 20時) (レス) id: 2e973fc2c9 (このIDを非表示/違反報告)
pandahero(プロフ) - もしこのサイトを開く機会があれば、またほかのサイトで書くことがありましたら、ぜひまた読ませてもらいたいと願うほど、本当に素敵な作品でした。ありがとうございます (2021年5月12日 12時) (レス) id: 6df71f9a53 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 本当にとても面白かったです!更新待ってます!!! (2020年8月5日 22時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - ただの純愛じゃなくて、少しドロドロ?してて面白いです!組織がやってることブッ飛んでるな、とか思いつつ笑 快斗と主人公がこれからどうなるのか、組織にまたまた捕まってしまうのか展開が楽しみです!更新楽しみにしてます! (2020年5月28日 23時) (レス) id: 9f6637cdbb (このIDを非表示/違反報告)
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