第145話 ページ8
答え合わせ。
いや別に問題なんてものは、クエスチョンなんてものはないが。
時間軸的にはこうなのだろう。
怪盗キッドと寺井とAが鈴木美術館に宝石を盗みに行く。
その後、Aが攫われる。
そしてスネイクに騙されAが銃で撃たれる。
快斗と寺井が黒羽家に帰宅する。
快斗がメッセージカードに気づく。
怪盗キッドが取引現場へ。
スネイクがキッドも始末しようとする。
Aが実は生きていた。
大方こうだ。
さて怪盗――黒羽快斗、あるいはスネイクは何故Aが絶命してなかったのか分かるのだろうか。
それを知るのは――Aだけなのか。あるいは、貴女なのかもしれない。
スネイクは信じただろうか。こんな眉『唾』みたいな少女を。
キッドは驚いただろうか。そんな『涙』無しでは語れないお話を。
* *
「……ふぁ。朝か」
私は目を醒ます――ここは、家。ベッド。
「よー起きたかA」
目の前に快斗。違う、真横に快斗。
つまり。
「なぜ同じベッドで。それに」
私は手に生暖かい感触があるのに気が付かないわけがない。
左手を布団から出すと、なぜかその左手は快斗の右手と繋がっていた。
「いや別に……なんつーか、今度は攫われねーようにって感じかな」
快斗は顔を背け、手をぱっと振りほどく。
攫われないように――まさか。
「そ、そう!! 私昨日たしか……! パンドラを狙ってる組織に!」
「昨日? おめーはずっと寝てたじゃねえか……」
快斗は顔をそむけたまま、そういった。
どこか声には涙ぐむような感じがする。
「そんなわけない! だって私は……」
振りほどかれていた手がふ再び、握られる。
「夢だ」
快斗がぽつりと言う。
言い聞かせるように――誰に――私に、そして彼自身に。
「全部、全部夢なんだろう、『昨日』の出来事は」
彼はそう言い張る。握る手は微かに震えている。
夢――夢なのか、なんて悪夢。
「じゃあ、夢だとして……なぜ快斗がそう言い切れるの?」
私は単純な疑問をぶつける。
追求しちゃダメと分かっているが、聞いてしまう。
「俺も、俺もその夢を見たんだ――二人で見たんだ」
ようやく快斗がこちらを向く。その顔は子供のようにあどけない。
「いやな夢だった。悪夢だった。最悪だった。正夢にならないといいな」
快斗はそう言って体を起こした。
身支度をし、学校に行ってくると告げ、この部屋を後にした。
夢。
そういうことにしておこう。
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白昼夢の悪夢編 FIN
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イヲハ(プロフ) - 優さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます! こちらこそ、お読みいただき感謝です。 安定して更新できるようにしてけるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします。(*^_^*) (2017年11月8日 19時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 最近更新多くて嬉しみが溢れております。ありがとうございます。(´∀`*) (2017年11月8日 16時) (レス) id: 9f27e32488 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» →ところなんですよね()。絶妙な距離感、頑張ります! お風呂はしんどいです笑。 頑張ります! ありがとうございます! 深夜&長文レス失礼しました。 (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» コメントありがとうございます。壱から…! お読みいただき感謝です。台本書きではないのであまりこのサイトでは迎合される書き方ではないので、タイプとおっしゃって下さって大変光栄です。ありがとうございます! エロティック…押さえられるようにしなくてはって→ (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 初コメ失礼致します!!関連ランキングにて、此方の作品を発見しまして、一から全て読ませて頂きました。一言で言うと、どタイプですね。笑 何よりキッドとの絶妙な距離感だとか、少しエロティックな関係性が好きです() お風呂入らないの辛いですよね…頑張ってください!! (2017年10月26日 23時) (レス) id: dd254419fa (このIDを非表示/違反報告)
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