第173話 ページ38
『なんで急にそんなこと気にしたんだ?』
「なんとなく……ってやば」
何が? と聞き返した快斗に私は何も答えなかった。否、答えることができなかった。
警視庁をハッキングしていたパソコンの画面にはたくさんの警告やエラーという文字。
私は大慌てで対応する。
海外のサーバーを経由している以上、すぐには逆探知や特定はされないだろうと踏んで私は逆により深いところに踏み入れる。もちろん、ただ侵入するだけじゃなくて足跡はすぐに消す。
数秒単位でエラーと映し出されるも、無理やり解除しどんどん進む。
『A? 無理するなよ』
「それは無理しろ、の裏返しでしょ」
正直指が攣りそうだ。それに今は幼児化している状態、心なしか手が小さいのが不自由。
今度から少し小さめのキーボードにしようと思った。
『……じゃあ俺は白馬のフリをする。一回これ切るぞ』
「了解。ってかもう大学に着いたの?」
『優秀な運転手がいるもので』
そこで通信が途切れる。優秀な運転手――寺井さんか。
全く、私と言い寺井さんと言い、人使いが荒すぎる。
それでも一番動いているのは快斗だから、その、まあ、尊敬しなくなくなくもないけど。
「それどころじゃないね」
どうやらあっちは沢山でハッキングに対応しているらしく、データ管理のページに行くよりも、エラーを解除するのばかりに時間を取られている。このままじゃ5分持てば奇跡だぞ。
仕方がなく、板倉のソフトを使うことにする。
すると、エラーが秒で消え、行きたかったページに飛ぶことができた。
ぱねえ。組織ぱねえ。……じゃあ最初から使えばよかったんじゃないかって話になるが。
でも初めから裏技を使うのはどうかと思うし、それにこれは組織のだ。
――使っちゃったなら、結局のところって感じだけどね。
「ええっとまずは……めんど。ここら辺全部持ってこう」
またすぐエラーになるか分からない。
関係しそうな事件、人物、会社、その他諸々を私は一気に引っこ抜く。
どうやらやりすぎたようで、別のファイヤウォールが作動したようだが、気にもせず、私はキーボードを打ちづけた。
「……“bomb”!」
つまり爆弾。もちろん現実的なものではなく、電子的なもの。
これで私が最初に侵入した経路や寄り道したデータベース、関連ネットワークに軽く小さな傷がついた。
傷は穴へ、開いてしまったら誰かが攻撃するだろう。私はその隙にトンズラだ。
日本の警察の情報なんて欲しい奴らはごまんといるんだ。なんて。
628人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イヲハ(プロフ) - 優さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます! こちらこそ、お読みいただき感謝です。 安定して更新できるようにしてけるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします。(*^_^*) (2017年11月8日 19時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 最近更新多くて嬉しみが溢れております。ありがとうございます。(´∀`*) (2017年11月8日 16時) (レス) id: 9f27e32488 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» →ところなんですよね()。絶妙な距離感、頑張ります! お風呂はしんどいです笑。 頑張ります! ありがとうございます! 深夜&長文レス失礼しました。 (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» コメントありがとうございます。壱から…! お読みいただき感謝です。台本書きではないのであまりこのサイトでは迎合される書き方ではないので、タイプとおっしゃって下さって大変光栄です。ありがとうございます! エロティック…押さえられるようにしなくてはって→ (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 初コメ失礼致します!!関連ランキングにて、此方の作品を発見しまして、一から全て読ませて頂きました。一言で言うと、どタイプですね。笑 何よりキッドとの絶妙な距離感だとか、少しエロティックな関係性が好きです() お風呂入らないの辛いですよね…頑張ってください!! (2017年10月26日 23時) (レス) id: dd254419fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ