第１７２話 ページ37
ユー、クライ……。ワイ、オー、ユー……。と快斗はぶつぶつとYOU CRYについて考え始める。
こういうのはまかせたほうがいいので、私は警視庁へのハッキングに本腰を入れる。
さて、と一呼吸置いてから別のUSBを用意する。
これにも元からあった組織のプログラムコードをいじったウィルス。
もしこれでだめなら板倉さんのソフトだって後に控えてる、それでもだめならそのソフトを改良して(この場合だと改悪か、なんて)攻撃し続けよう。
ばれたら即アウトだから、慎重に。
『わかった、横浜海洋大学』
急に快斗が大きな声を上げたので、私は思わず指を止めてしまった。
……そういえば、耳に声が直に入ってくるの、くすぐったいな。
って余計なこと考えちゃだめだ。
『CRY。なんの名前だ？ おーい、Aさーん』
「手一杯」
『――もしもしバーバラか？ 俺だ！』
「下手な工藤新一の声真似をしないでください！」
声真似ってか、本当に似てるから何とも言えないが。
心の中で突っ込みながら私は一瞬だけ手を止め、快斗の携帯に横浜海洋大学のサークル名、講義名など『CRY』に掠りそうな情報を一気に送りつける。
「量が多いと思うけど、それくらい自分で調べろっ」
『大学に行きながら考える。もしこの事件の黒幕と深山が繋がってるとしたら……ならやはり……』
また快斗が考え始めた時点で私はハッキングに戻る。――ん、硬いなあ！
全然破れないねえ。ま、そりゃ簡単に破られちゃ困るけど。
それにいくら別のパソコンを使っているとはいえ、心なしか動作が遅く感じる。
頑張れ、私の愛用パソコン二台とも。
『クライムリサーチオブヨコハマ！ 横浜犯罪研究会、これだな』
また彼の大声で指が止まる。いやだって快斗の声量、絶対インカムの事忘れてるよこれ。
……横浜海洋大学の横浜犯罪研究会。確かにYOU CRYだ。
「犯罪研究をしてた人たちが今や犯罪者……ってことですかね？」
『俺もお前も犯罪者だからのその件に関しては触れられないだろ』
ここで私の中に疑問が一つ生まれた。
快斗に聞こうとは思わなかったが、どうやら口が勝手に動いていた。
「快斗。最初からずっと悪人と、最初は善人だったけど悪人になってしまった人、どっちがより悪人なんだろうね？」
別に悪人は犯罪者だけを指しているわけではないけど。
正直今こんなの気にしなくていいのに。私は彼に聞いてしまった。
彼の答えはこうだった。
『悪くない人間なんて、いないんだぜ？』
なるほど、ね。
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イヲハ(プロフ) - 優さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます！ こちらこそ、お読みいただき感謝です。 安定して更新できるようにしてけるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします。(*^_^*) (2017年11月8日 19時) (
レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 最近更新多くて嬉しみが溢れております。ありがとうございます。(´∀`*) (2017年11月8日 16時) (レス) id: 9f27e32488 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» →ところなんですよね（）。絶妙な距離感、頑張ります！ お風呂はしんどいです笑。 頑張ります！ ありがとうございます！ 深夜＆長文レス失礼しました。 (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» コメントありがとうございます。壱から…！ お読みいただき感謝です。台本書きではないのであまりこのサイトでは迎合される書き方ではないので、タイプとおっしゃって下さって大変光栄です。ありがとうございます！ エロティック…押さえられるようにしなくてはって→ (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 初コメ失礼致します!!関連ランキングにて、此方の作品を発見しまして、一から全て読ませて頂きました。一言で言うと、どタイプですね。笑 何よりキッドとの絶妙な距離感だとか、少しエロティックな関係性が好きです() お風呂入らないの辛いですよね…頑張ってください!! (2017年10月26日 23時) (レス) id: dd254419fa (このIDを非表示/違反報告)
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