第１５４話 ページ18
「ま、でも風が味方をしてくれて、うまくあいつらを埠頭から細い路地に誘い出したんだけど……」
「だけど?」
「発砲された。ヤツラ、相当焦ったみたいだ。インカムは撃ち落されちまったし、足を掠められた」
「飛行中の物体に当てるとは、なかなか腕のいいスナイパーね」
「ああ、やべえって思った。なんとか撒けたからいいけど……っていてて」
急に快斗があたかも思い出したかのように、右腕を抑えた。
「坊ちゃま!? 大丈夫でございますか!?」
「いてて、平気平気……ってジイちゃん前見てくれ！ 運転中だろ!?」
＊ ＊
「……では坊ちゃま、明日は病院に伺った方がよろしいかと思います」
「だいじょーぶだよ、こんなん、唾つけときゃなおらぁ」
事故ることなく無事黒羽邸についた私達。
車から寺井さんが心配そうに快斗を見つめていた。
「寺井さんも止まっていけばいいのに」
「そういうわけには行きません、ジイもジイで大変なのです」
「わりぃなじいちゃん、ありがとよ。つーかA、何で自分の家みたいに振る舞ってるんだ」
私はてへへ、とわざとらしく笑った。
「では、お大事に。そして二人ともおやすみなさいませ」
寺井さんはそう言って名残惜しそうに車を発進させた。
車はみるみるうちに小さくなり、完全に私たちの視界からフェードアウトした後、快斗が小声で「なあ」と私の肩をつついた。
「なに？」
「ちょっと、やばい」
彼は右肩を抑え、苦しそうな表情を浮かべていた。
「やっぱ肩。とりあえず家の中に這入ろう」
「ああ」
少し急ぎながら、でも快斗の様子を気にしながらとりあえず、リビングのソファに楽な姿勢になるように座らせた。
そして、患部を見るために服を脱がせる。
「自分で脱げるって」
「嘘つけ――っていうかこんなに大量に血!?」
マントの部分でうまく見えなかったが、紅い赤い血がタぼたぼと流れでていた。
こんな状態ではいつ快斗の血が足りなくなるか分からない。
「掠っただけなのに……」
「ここ、前も掠ったんだ。多分その時の傷口が――ってててて！」
「快斗！ ねえ、しっかり！」
「やべーな、少し気が遠くなってきた……」
こんなの私の手には負えない感がある。
今すぐ救急車を呼んで――いやでも、そんなことしたらこんな格好してる快斗は間違いなくお縄につくし、そもそも、こんな大怪我どこでしたって話になるし。
――平たく言えば、今、快斗を助けることができるのは。
琥珀A、この私しかいないわけで。
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イヲハ(プロフ) - 優さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます！ こちらこそ、お読みいただき感謝です。 安定して更新できるようにしてけるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします。(*^_^*) (2017年11月8日 19時) (
レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 最近更新多くて嬉しみが溢れております。ありがとうございます。(´∀`*) (2017年11月8日 16時) (レス) id: 9f27e32488 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» →ところなんですよね（）。絶妙な距離感、頑張ります！ お風呂はしんどいです笑。 頑張ります！ ありがとうございます！ 深夜＆長文レス失礼しました。 (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» コメントありがとうございます。壱から…！ お読みいただき感謝です。台本書きではないのであまりこのサイトでは迎合される書き方ではないので、タイプとおっしゃって下さって大変光栄です。ありがとうございます！ エロティック…押さえられるようにしなくてはって→ (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 初コメ失礼致します!!関連ランキングにて、此方の作品を発見しまして、一から全て読ませて頂きました。一言で言うと、どタイプですね。笑 何よりキッドとの絶妙な距離感だとか、少しエロティックな関係性が好きです() お風呂入らないの辛いですよね…頑張ってください!! (2017年10月26日 23時) (レス) id: dd254419fa (このIDを非表示/違反報告)
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