検索窓
今日:42 hit、昨日:93 hit、合計:259,328 hit

第139話 白昼夢の悪夢 編  ページ2

そんなことがあって、あんなことがあって、翌日。


私はなぜか熱を出した。といっても微熱なのだ。37.8℃である。
しかし、体のだるさが尋常ではなかったので、ソファにごろんと横になり私は唸っていた。
いや別に昼間からソファに横になっているのはいつものことだが。


熱を出したことに思い当たる節はない――いや違う。
熱を出すこと自体が問題ではない、もともと私は平熱が高い方だし、なんせ今は子供の姿。
若者の冷え症がはやる現代日本ではもしかしたら万々歳な出来事かもしれないが。
そうじゃなくて。


問題なのはこの異常なまでの『体のだるさ』だ。


丁度テレビでは謎のドキュメンタリー(いわゆる感動系)が放映されている。
そこのワンシーンでインタビューを受けてるおじいちゃんが一言。

『自分の体のことは自分がよくわかってますから』

だそうだ。とても胸に刺さる。
この体のだるさは危険信号なのかもしれない。


不本意とはいえ、あの組織によって手に入れてしまった――言ってしまえば『不死身』の身体。
逝ってしまってもすぐに再生する馬鹿みたいな、空想みたいな能力。


しかしこれは『超回復』とかを急速的に実践させ、細胞分裂を奨励し――詳しいことはよくわからん――つまりは、『超ドーピング』だと思う。
だから、いつ死んでもきっとおかしくない。
諸刃の剣よろしく、きっといつかツケがまわってくる。

そのツケは今日かもしれないし、今かもしれないし、4秒後かもしれない。
明日かもしれないし、一年後かもしれないし、ずっと先かもしれない。

こればっかりは私にも誰にもわからない。
なんて諦めるように私は熱を帯びた頭で考える。



いかん、余計に頭痛が痛い。 頭痛が痛い? 頭が痛い?

もうわからなくなってきた。
私はすべての思考を投げ出して、痛い頭をさすって、また眠りについた。



『臨時ニュースをお伝えします。今夜怪盗キッドが鈴木美術館の――』


意識を手放した直後にこのようなニュースが流れたことは、私は知る由もない。


  * *

目が覚めると、目が覚めなかった。
なんて意味の分からない文章は置いておいて。

でも目が覚めたはずなのに、辺りは真っ暗だった。
きっと目隠しか何かをされている――どうしてだ?
寝起きの頭で必死に考える。


私はどこで寝ていた?――黒羽家のソファ。
私はいつから寝ていた? ――2時半過ぎだ。
情報が圧倒的に少ない。

そう思考が停止すると、誰かが近づいてくる気配がした。

第140話→←設定4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (244 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
627人がお気に入り
設定タグ:黒羽快斗 , 名探偵コナン , 怪盗キッド   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イヲハ(プロフ) - 優さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます! こちらこそ、お読みいただき感謝です。 安定して更新できるようにしてけるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします。(*^_^*) (2017年11月8日 19時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近更新多くて嬉しみが溢れております。ありがとうございます。(´∀`*) (2017年11月8日 16時) (レス) id: 9f27e32488 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» →ところなんですよね()。絶妙な距離感、頑張ります! お風呂はしんどいです笑。 頑張ります! ありがとうございます! 深夜&長文レス失礼しました。 (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 蓮花さん» コメントありがとうございます。壱から…! お読みいただき感謝です。台本書きではないのであまりこのサイトでは迎合される書き方ではないので、タイプとおっしゃって下さって大変光栄です。ありがとうございます! エロティック…押さえられるようにしなくてはって→ (2017年10月28日 0時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 初コメ失礼致します!!関連ランキングにて、此方の作品を発見しまして、一から全て読ませて頂きました。一言で言うと、どタイプですね。笑 何よりキッドとの絶妙な距離感だとか、少しエロティックな関係性が好きです() お風呂入らないの辛いですよね…頑張ってください!! (2017年10月26日 23時) (レス) id: dd254419fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イヲハ | 作者ホームページ:(*/□\*)  
作成日時:2016年11月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。