第７１話 ページ29
「じゃあお土産よろしくね〜！ おやすみ〜」
「へいへい。おやすみなさーい」
２１時。
結局俺はカレーを3杯おかわりした。
明日から青子の飯は食えねえから食いだめってトコロ。――意味ないけど。
そのあと、青子に化学の宿題を教えてから今に至る。
「ちと食い過ぎたな……」
俺は腹をさすりながら家に向かった。
まあ10歩足らずで着くんだけど。
「ただいま〜って、お？」
ドアを引こうとしたが引けなかった。
つまり鍵をかけられているということになる。
でも俺はかけた覚えはねえぞ……ああAがかけたのか？
大方、出前とってその流れでついつい鍵かけたって感じかあ。
俺はポケットから家の鍵を取出し、開錠した。
そこには。
眉毛が特徴的で大柄な金髪の一人の男がいた。
――――あとから思えば、この一連の流れはまさに『不幸中の幸い』だった。
俺は本当に悪運が強いなとあとから実感するのだった。
まあ、それはまだ先の話。
＊ ＊
「じゃあな」
その大柄な男はそう言った。
俺に向けて――いや違う、Aに向けてだ！
「まっ……待てよ！ 誰だお前！」
立ち去る男に俺はついそう叫んでしまった。
「誰だって聞いてんだよ！ おい答えろよ!!」
咄嗟にガシッと太い腕を強く掴む。
しかし掴んだ手はすぐに振り払われた、ものすごい力で。
「――え？」
本当に、いとも簡単に振り払われた。
服についた塵を振り払うかのようだった。
驚く俺を傍目に大柄な男は「ふん」と鼻で笑いながら言う。
「お前の言う通りだな、バーバラ。どうやら俺の思い違いだ」
低い、低い声だった。
冷たくて――そう何人も殺したことがありそうな声。
きっとこいつは――
そう考えた隙にすでに大柄な男は姿を消していた。
キョロキョロと辺りを見回したが完全にいなくなっていた。
「一体なんなんだ……おーいA今のやつって――」
視線を玄関にもどすと、そこにはAがぐったりと倒れていた。
19歳の姿で。
＊ ＊
話は一刻ばかり前になる。
快斗さんが家を出たのを確認しつつ私はいやいやながら電話を取った。
『話が違うじゃねえか？』
電話の主に私は何も答えなかった。
相手はアイリッシュ。
組織の中でもなかなかの頭脳派というかキレ者でどちらかと言えばジン様とは敵対関係にある。
『何黙ってんだよ、おい』
私は何も答えない。
『まあいいさ』
彼は意味深にいい電話を切られた。
一安心、な訳なかった。
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レモン - 楽しく読ませていただいてます！特に、66の怪盗＆探偵の言い回しが好きです！ (2020年7月30日 19時) (
レス) id: 91878b848e (このIDを非表示/違反報告)
欠月(プロフ) - ありがとうございます！イヲハさん、神ですね！(泣) (2017年4月16日 21時) (レス) id: 3f5aeeaaec (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 欠月さん» コメントありがとうございます。私はバーボンの方が好きですｗ。赤井さんはちょっと完璧すぎるので…。赤井さん派多いですよね……。この作品にもちょいちょいバーボンを出せるように頑張ります。 (2017年4月16日 21時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
欠月(プロフ) - イヲハさんもバーボン好きですか？私は大好きです！でもでも、友達みーんな赤井派なので、イヲハさんがバーボン派で良かったです！ (2017年4月16日 17時) (レス) id: 3f5aeeaaec (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます。そうなんですか……コナン好きは多いと思うのですが汗 楽しんで頂けたら何よりです！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
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