第4話 ページ6
* *
今日は朝から最悪だった。
青子に大声で無理やり起こされるし、朝ご飯に魚を出しやがったし。
母さんが急に帰ってくるだとかいうし、ジイちゃんが準備に間に合わないかもとか言い出すし。
あー! おまけに今日は予告の日!
日没に鈴木財閥が所有するなんだかよくわかんねー絵画を盗む日だ。
まあ俺は『ビッグジュエル』しかねらわねーつもりなんだけど、次郎吉じーさんが新聞に果たし状出してきたもんだから、この天下の大泥棒怪盗キッド、売られた喧嘩を買わなくてどーする!
しかしまああのじーさんも飽きないねえ……。
俺としちゃあ盗み甲斐ってかやりがいがあるんだけど。
それにあのじーさんのヤマってこたぁ、あーの忌々しい小さな名探偵もいるだろう。
――ちょいとやっかいだが、楽しませてもらおーじゃないの。
なんてあの時の俺はそんな風に楽観視していた。
これからどんなことがおこるかも知らないで。
* *
「遅い……」
現在時刻は15:00を過ぎたところ。
母さんは昼過ぎに帰ってくるとか言ってたくせに全然現れねえ。
飛行機が遅れたり、渋滞の情報もねーみたいだし。
んっとにあのくそ……。
あと5分経ってもこなかったら電話するか。
16時前にはジイちゃんのとこ行かなきゃ間に合いそーにねーもんな。
そうこうしているうちに5分経った。
俺は素早く電話帳をタップし『母さん』とかかれた電話番号に電話をかける。
2,3回コール音がした後、母さんの声が聞こえる。
『失礼――もしもし快斗?』
失礼って言ったことは、誰かと一緒にいるってかぁ?
あの母さんどこで油売ってんだぁ!
「母さん!? おせーんだけど!? 俺ぁ今日予告してっからジイちゃんとこにもいかなきゃなんねーんだし、大事な用ってなんだよ?」
久しぶりにこんな大声出したってぐらいな大きな声で電話に叫んだ。
『切るわね』
母さんはその一言だけ言って電話を切った。
「ちょ、おい!」
俺の言葉むなしく、ツーツーと無機質な音が耳に届く。
ち、と舌打ちし携帯をベッドに叩きつけた。
「ああ! もう!」
「快斗うるさい!」
隣から――正確には隣の家から青子の声が聞こえた。
「キンジョメイワク! 静かにしてよねもう!」
「へいへーい」
おめえの声だって十分うるせーっての。
なんて心の中でつぶやき、母さんが返ってくるのを待つことにした。
今、車のエンジンみたいな音が聞こえたからもうそこまで来てっかもな、という希望的観測を抱きつつ。
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ふ。 - ?「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません!」 (4月14日 21時) (レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます! 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ!私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(`・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、3年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか? (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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