第43話 ページ48
「ここで大丈夫ですよ。降ろしてください」
杯戸公園前、ではないのだがいち早く車から降りたかった。
変なことを聞かれる前に。
「分かりました」
車を止めたと同時にすぐ私は車から飛び降りた。
全身の痛みよりもこの二人のことが怖い。
さようならも言わずに私は人混みに姿を晦ました。
急いで帰らないと、快斗さんより後に着いちゃうしな。
* *
「――あの子は一体?」
運転しながら僕はベルモットに聞く。
ベルモットは笑い、煙草を取出し咥えながら答えた。
「どういう意味かしら」
僕は続ける。
「あんなに小さいのに組織のメンバーってすごいなあと思いまして。何か秘密でもあるんですか?」
「あったところで貴方には教えないわ」
「突出した才能でもあるんですかねえ」
「ないわ。頭脳も運動神経も殺しの技術も全部平均よりちょっと上くらい」
「じゃあなんで組織にいるんだか益々気になりますよ」
「そのくらい自分で考えなさい」
どうやら聞き出せないようだな、と観念し車のスピードをあげ次なる目的地へと僕らは向かった。
* *
「間に合った……」
黒羽家に帰るとまだ誰もいなかった。
隣の中森家も電気がついていないので帰ってきてないと踏んでいいな。
未だに合い鍵は貰ってないのでまた窓から入る。
そろそろ痛みにも慣れてきた。
痛みに耐えつつ、色々なことを考える。
色々……ねえ。
気づくと22時前、ようやく快斗さんが帰ってきた。
「お帰りなさい、失敗したんですね」
クスクスと笑いつつも、本当はわかっていた。
グリーンドリームはパンドラじゃなかったから盗み出さなかったし、劇にアドリブを加えて最高の『マルスとローザ』に昇華したことも。
「なんとでも言え」
そう言いつつも、快斗さんは嬉しそうだった。
良いことあったのかな?
「次は何、盗むんですか?」
「急かすなよ……まあでも目星はつけていたいところだな」
「舞台系で攻めていけばどうですか? スター・サファイアとか」
「スター・サファイア?」
「運命の宝石っていうらしいです。『ジョゼフィーヌ』って舞台で使われるビッグジュエルです」
ふうん、と彼は感心しつつ携帯を弄りだした。
どうやらスターサファイアとジョゼフィーヌについて調べているようだ。
「盗みんでみる価値はありそうだな。どーせならあの名探偵をキャストに呼ぼうぜ」
「面白いですね、それ」
私と快斗さんは笑いあい、作戦を練りだす。
――さあ次も楽しみだ。
--グリーンドリーム編 FIN--
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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ふ。 - ?「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません!」 (4月14日 21時) (レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます! 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ!私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(`・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、3年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか? (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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