第14話 ページ16
「最初にジャグリングしてたのは普通のボール、だけど途中から増やしたのは違うな――ワイヤーの塊。さしずめ、毛糸みたいにくるくるっと球体のように巻きつけたんだろ？ 投げつけた時に照明とかワイヤーがひっかけられるところに先っぽを巻きつけたんだな」
彼が部屋中の四方八方に視線をやった。
照明のぶら下がっている部分、リビングにつながるドアの上にある金具、カーテンレールとか引っ掛けられるところはいくつかあった。
「そしてさっき土下座した時に一斉にピンと引っ張った。それで仕掛けは終わりかな？ あとは俺たちに懇願しているときにワイヤーの位置を確認して、宙返りした時にいくつか足に巻きつけた――大体こんな感じだろ?」
ははぁと寺井さんが感嘆の声を上げた。
私は肩まで伸びる髪を一つに結ってから快斗さんにパチパチと拍手を送った。
「お見事――！ 正解。まぁそんな難しいトリックなんか使ってないしね、即興でやったから……手抜き工事みたいなもんだよ」
「一瞬、わかんなかったけどな。よく見れば天井やらおめーの足首あたりがきらきら光ってるからよ」
「正確にはワイヤーじゃなくてピアノ線。ワイヤー足に巻きつけると痛いからねぇ」
ピアノ線も痛いけど、なんて言わずもがなだろう。
「こんなんでどう？ 少しは『怪盗キッド』の役に立つんじゃない？ 囮とか」
私はピアノ線から足を外しもう一度宙返りし、すたっと床に着地する。
糸を少しずつ引っ張り、また球体のように丸めて回収する。
「でもよぉ、その慎重で囮とかなんとか言われても無理があるだろー」
「見た目的には小学生ぐらいですからねえ――見え張っても中学生ですかな」
なんて文句を言いながらピアノ線回収を寺井さんと快斗さんが手伝ってくれる。
「いいや見た目は幾らでも誤魔化せるんですよ――ちょっちめんどくさい手順踏まなきゃですけど」
「ほぉ〜？ そのめんどくさい手順って？」
「これです」
左手を――快斗さんが持っている方のピアノ線を引っ張り、快斗さんを私に近づける。
うわっ、と彼は驚きそのまま体勢を崩した――私を押し倒すかのような感じ。
「なぁにすんだよ！」
煩く叫ぶ快斗さんを私は――
「静かにしましょう、快斗」
――自分の唇を彼に重ねた。
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作者のイヲハです〜。
なんかまたまたhit数がなんかすごいです！ みなさんありがとうございます！
この作品なんか床ドンもどき多いってのはスルーで笑
では文字数の関係で次話へ！
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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ふ。 - ？「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません！」 (4月14日 21時) (
レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます！ 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ！私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(｀・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、３年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか？ (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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