隙あらば餌付け ページ31
甲斐田の書斎に呼ばれたAは黙々と書類を整理しては判を押し、データを
記入していた。
甲斐田「Aさん。」
「はい、っむぐ。」
甲斐田に名前を呼ばれ顔を上げた瞬間に何かを口に突っ込まれる。
むぐむぐと咀嚼し、さすがに口だけでは抑えきれず手を使う。その間甲斐田はにこにことこちらを見ていた。
甲斐田「これ、たまに移動販売でくるパン屋さんの一口ミルクパンなんだけど、さっき買ってきたんだ。」
僕これ好きなんだよね、と微笑まれる。
たしかに、おいしい。
ようやく口の中を空にすると、もう一つ突っ込まれる。
もぐもぐと大人しくそれを食べ終えるとまた一つ。
「ふぁ、いふぁふぇんふぇ……(甲斐田先生)、」
甲斐田「ん〜？呼んだ？」
怒ったようにAが眉を上げるが、甲斐田が気にする様子はない。
３つ目のパンを食べ終えたところで甲斐田が新たにAの口に何かを投入するのを阻止するようにAの手が自分の口を覆った。
甲斐田「どうしたの？喉乾いた？」
顔を覗き込まれるが、そうじゃない。
「何のつもりなんですか……？！」
戸惑いを隠しきれない様子のAに甲斐田が時計を指した。
甲斐田「朝から全然食べてないでしょ。もうお昼すぎだよ。」
確かに時計は午後１時をまわっていた。
「あ、ほんとだ……。仕事の癖でついご飯を無視してました。」
すると甲斐田はぐいーっとAに顔を近づけた。
甲斐田「僕の助手になったからには、３食ちゃんと一緒に食べること！Aさんは自分の健康に頓着なさすぎるみたいだからね。」
「う、わかりました……。おいしかったです。」
ご馳走様でした、と素直に告げると甲斐田は満足げに花を散らして机へ戻った。
ふんふんと鼻歌まで歌いそうな雰囲気で仕事に戻った甲斐田を盗み見る。
……こうしてみると。
「案外かわいい人なんだな……。」
甲斐田「うん？何か言った？」
「いえ、お茶を淹れてきます。」
Aはふんふんと鼻歌を歌いながらようやく席を立ったのだった。
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まめこ(プロフ) - 。さん» うわああやってしまった……！ご指摘ありがとうございます！修正いたしました！ (2022年4月27日 0時) (
レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - コメント失礼致します。gnzkの藤の字が籐という字になってます。正しくは藤(ふじ)という草冠のほうです。 (2022年4月25日 0時) (レス) @page39 id: adaaffc441 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - .さん» こちらこそ、ご丁寧な返信ありがとうございます。タイトル1部変更という形で対応させて頂きました。公開状態についても検索エンジン避け済です！お気遣いありがとうございます！ (2022年3月22日 23時) (レス) id: 4d19791088 (このIDを非表示/違反報告)
. - 素敵な作品なので更新楽しみにしております。ご無理なさらず頑張ってください！ (2022年3月22日 20時) (レス) id: 0d760e457b (このIDを非表示/違反報告)
. - 迅速な対応誠に感謝します。ですが『.』では検索避けできていない可能性があるため、伏字(kid等)を使う方が良いです。公開状態も検索エンジン避けにするにをおすすめします。(既にされていたらすみません) (2022年3月22日 20時) (レス) id: 0d760e457b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ | 作成日時：2022年3月6日 5時
