傍観者【血界戦線】 (ページ5)

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第1幕　　3章ページ5

ズヴン邪神の半身が事務所内に出現し、動けたのはクラウスとザップ、A
目にも止まらぬ太刀筋で事務所が半壊。階上にいたチェインが降りてきた。

「大丈夫！？ウンコ猿、A。」
「…ああ、大丈夫だ。」
煙が晴れると、ザップの手には切り傷があり、床には一直線の何かを突き刺した跡があった。Aは先ほどと同じ場所に平然と立っていた。
「……チッ。…ケガ軽すぎ。Aは無事ね。」
「てめぇ本当に犯すぞ。」
『あーびっくりした。』
Aは完ぺきな棒読みで言い、服に付いた埃を払う。
「俺よりも旦那だろ。アッチの方を探せ」
「何でよ、アンタが生きてるなら彼が怪我するわけ無いじゃん」
「ガキが居たろうがよ！！」
『…あ、そうか』
少年の存在を思い出したように、そこへ向かう。見つけた先には少年を庇って深手を負ったクラウスと声にならない叫びを出す元ジョニー。

「…クラウスさん！！僕を…庇って…！！…どうして…！！」
「そこに理由は無い。強いて言えばあなたが「そこに」「いた」のが理由」
『いつまで経っても利口にならないわね。私達のボスは』
チェインとAはクラウスに駆け寄り、ザップが元ジョニーの胸蔵を掴む。
「おいコラ。やっぱりお前が差し金かこのガキ」
「…違う…手を離すんだ…ザップ…！！」
「脳みそ使いなさいよ、クソ猿。ミスタークラウスが「このままでは死ぬと判断して庇った」のよ？」
「……そうか…被害が及ぶのは周囲のみ。ゲート仕込んだ本体がおっ死ぬポカを堕落王が犯すはずもねぇ」
『大体、あの人はこんな普通すぎるガキには仕掛けないわよ。』
手を離したザップ。尻餅を付くように落ちた元ジョニーは軽く打った背中を摩りながら立ち上がる。
「てことは…まさか…」
全員の視線の先にいたものは…