傍観者【血界戦線】 (ページ3)

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第1章　　1幕ページ3

ヘルサレムズ・ロットの街をライブラの一員であるチェイン・皇に抱えられAは事務所へ向かっていた。
『で、あのアホは？』
「死亡している新入君を迎えに」
『それはそれは、無駄足ご苦労さんね。』
トン、と電柱を踏み高く跳ね上がるチェインは事務所の窓を開けて消していた姿を見せる。

ぶに。何かを踏んだチェインの足元を見れば褐色肌の男。ザップを踏みつけていた。
「いたの？」
「いたのじゃねぇよ！！」
『ありがと、チェイン』
「車とか買えば？頼めばあの男が買ってくれるでしょ？」
『めんどくさい』
踏みつけているザップを他所に二人は会話を続ける。が、我慢ならぬと起き上がったザップの上から退き二人はゴーグルを付けた見慣れぬ少年を見つけた。
『クラウス、誰？』
「…新入りだ」
『「……？」』
二人は顔を見合わせ、同時に告げる。
『「新入りってジョニー・ランディス？ジョニー・ランディスなら来ませんよ」』
「は？」
「彼、死亡してるもの」

そんな筈は無いとザップは写真を見せるが、実際は髪が下で顎が上と言う無茶苦茶な身体だった。
つまりザップが連れてきたのは別人だった。元ジョニー・ランディスの話では、音速猿にカメラを取られ追いかけている内に銀行強盗の現場に鉢合わせ。逃げてる最中にザップに出会いジョニー・ランディスを名乗ったらしい。
『まあ確かにこれは、写真を逆さにしないと分からないよね。』
「さて、無関係の人を連れてきたザップのお給料をカットするとして。」
「二十五分で無くなる俺の給料カットするなよ。」
『きちんと確認しないアンタが悪い。』
正論を言われ、ザップは言葉を詰まらせる。するとニュースを伝えるテレビに電源が入る。それは先程まで騒ぎを起こしていた銀行強盗が捕まったとの内容だった。護送直前、渋る様に立ち止まった犯人の頭が半分に【割れた】ゲートが開いたのだ。召喚されたのは半身の巨大な身体。『それ』は手に持っていたナタを振り回す。銀行強盗を護送しようとして周りに群がった警察達が斬り刻まれた。

☆
　中途半端ですが、一回きりまーす。