傍観者【血界戦線】 (ページ20)

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第4幕　　2章ページ20

♪～カチッ

『もう、5時か。そろそろ準備しないと。』
Aは目を擦りながらも、準備を始める。
1時間後
『こんなもんでいいわね。』
準備を終えて家を出ると、小型のバイクに乗ってスティーブンのマンションに向かう。
1時間バイクを走らせると、スティーブンの部屋のあるマンションに到着した。
『あいっ変わらずムカつくくらいに立派なマンションね。』
そんなことを呟きながら、エレベーターに乗って部屋の階を押す。
チンッエレベーターが止まると、ドアが開き、あっという間にスティーブンの部屋の前。
『ああ、やっぱ帰りたい。』
「そんなこと言わないでよ。」
Aがインターホンを押す前に扉が開き、スティーブンが顔を出す。
『休日にまで、あんたの嘘くさい顔を見るなら、自分で夕飯作ればよかった。』
「そんなこと言って、その夕飯に釣られたのは君だろ？」
『否定はしない。』
「それじゃ、どうぞ。」
『おじゃまするわ。』
スティーブンの顔を見て一番に嫌味を言うAだが、彼は慣れたように言葉を返す。
「まだみんな来なさそうだから、すきにくつろいでいてよ。」
『そうさせてもらうわ。』
スティーブンに言われると、近くにあるソファに座ってくつろぐ。

暫くすると、
ピンポーン
「はーい。スティーブン。」
扉が開き、花を持った女性とワインの入った紙袋を持った男性が入ってくる。
スティーブンはその二人を見て、少し雰囲気が変わる。しかし、それに気が付いたのはAのみだった。
「元気ー？今朝電話で話した時よりね。あ、こちらクリストファー。」
「ハイ」
「ようこそ。楽しんで。」
「ところで、そちらは？」
女性はソファに座っていた私を見て言う。
『Aよ。スティーブンとは仕事の後輩なの。』
「初めまして。エレンよ。」
Aはいつもとは違う営業スマイルで握手をする。
「何だよ、皆早いな。」
「ヘーイ！ラリー！」
「冷蔵庫！開いてるか。」
「例の肉かい？すごい量だな。たぶん大丈夫だ。そうか、コンロ用の炭を出さなきゃな。」
ガタッそう言ってスティーブンはふらついて倒れそうになる。
『大丈夫？スティーブン。』
「あはは、大丈夫？」
「キミ、働きすぎなんだよ。」
とっさにAが支える
「じゃあ、僕は点滴打ってくるから、みんな適当に楽しんでくれ。」
別の部屋に移動するときにAに合図をし、Aは気づかれないように頷いた
暫くして、スティーブンが戻ってくる
「さあみんな、――始めようか。」