傍観者【血界戦線】 (ページ18)

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第3幕　　6章ページ18

「ブレングリード流血闘術、推して参る。」

地を這う声に成り立ての吸血鬼男が腕を変形するが天井から落ち、拳を振り下ろしたクラウスの血の力により砕け散る様に爆散する。一人残った吸血鬼が爪を伸ばしクラウスの首を狙うが、斬れたのは髪。身体を仰け反り、躱したクラウスは左手を吸血鬼の脇腹に当てる。
「な…に…？」
「【ヴァルクェル・ロッゾ・ヴァルクトヴォエル・ギリカ】貴方を「密封」する。」
「どうやって…その名を…？」
「憎み給え、赦し給え、諦め給え。人界を護るために行う我が蛮行を。ブレングリード流血闘術、９９９式。」
久遠棺封縛獄(エーヴィヒカイトゲフィングニス)
何十、何百と吸血鬼の身体を血の牢で絡めていく。断末魔は無くなり、代わりに鳴るは床に落ちた小さな赤い十字架。吸血鬼を封じ込めた十字架をクラウスが拾い、三人に近付く。
「無事か。」
『遅わよ、クラウス。』
「ザップ、スティーブンを頼む。先生はＫ・Ｋを。」
ギルベルトに十字架を渡し、自分はAを抱え上げる。
『明日は休日にしなさい。』
「承知した」
こうして人ならぬ者との戦いは幕を閉じ、次の日には元のＨＬの日常だった。

――――――
『(でも、こいつらでもボロボロなのに、血を吸わないままで彼奴を殺せるの？)』