傍観者【血界戦線】 (ページ2)

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序章ページ2

バシャバシャ、
バケツをひっくり返したように雨が降っている。それを悲しそうに一人の女性が縁側から見つめていた。

グニャリ
空間が歪み、女の家の庭に一人の男性と抱えられ気を失った女の子が現れた。
女は慌てず観察でもするように見つめていた。
「娘を、Aを助けてほしい。たのむ魔女。」
男は唇を噛み締めながら、魔女と呼ばれた女に言った。
「対価が要るわ。あの時のように。」
女は静かに答えた。
「分かっている！Aには時間がない。早く代わりの左目を入れないと危険な状態だ！」
よく見ると少女、Aの左目からは血が流れていた。
『だ、め、』
そこで今まで黙っていたAが答えた。
『私が生きていたらっ…また父さんに迷惑をかけてしまう。ハァ、それに私が死ねば、あいつも死ぬからっ』
Aはとぎれとぎれにそう言うと疲れたように目をまた閉じてしまった。
「A！A！しっかりしろ！」
「彼女は自分が生きることを望んでいないわ。それでも助けるというのね。フェムト。」
女は男、フェムトにそう言った。
「あたりまえだ！Aを守り抜くとサクラと約束したからな。」
「ならば、貴方も彼女を助けるために、責を負わなければならない。」
「何をすればいい。」
「貴方の左目を彼女に。貴方には別の義眼を渡すわ。それでいい？」
「分かった。」
女は満足そうに笑いうなずくと、二人の周りに魔法陣を展開した。
すると、フェムトの左目が一瞬で義眼になり、Aの左目の血は流れなくなった。それを見たフェムトは安心したように気を抜いた。
「魔女、対価は何を払えばいい？」
「この子は今、安定しているけど何時、不安定な魔力が暴走するか分からない。今はそれを封印している者もいない。だから貴方が封印の柱になるの。つまり、貴方に何かあればAの魔力は再び暴走するわ。それが対価よ。」
「分かった。」
フェムトは少し黙っていたが、それに頷いた。
「すまない。魔女いや壱原侑子。」

☆反省
　序章なのに長くてごめんなさい！！