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「めっちゃ楽しかったなぁ…久しぶりに騒いだ気ぃするわぁ…」
イタリア達の家までの帰り道。悪友、イギリスと5人で帰っていたのだが、イギリス、フランス、プロイセンは、それぞれ途中から方向が違い、別れたのだ。
ロボットとは言え、女の子。それに、今日あの出来事があったため、一人では行動させるのはいけないと、アメリカがスペインに最後まで送るよう頼んだのだ。
もちろんAは丁寧に断ろうとしたのだが、スペインが「あんまりAちゃんと話せてへんのや。少しくらいおしゃべりさせたってや〜」と言ったので、AもOKを出したのだ。
「そうですね…。イタリアさんやロマーノさんは暇だと言っていたのですが…スペインさんはどうなんですか?」
Aの問いかけに、スペインは思わず苦笑をもらす。
「俺のとこもそんな忙しいやっちゃなんいんやけど…他の国に負けんよう、上司がめーっちゃ機械の発明に力入れとんのや。…なんちゅーか、気が重いんや。…たまには、昔みたいにロマーノとゆっくり過ごしたり、それこそもっと昔に遡って、フランスやプーちゃんとやんちゃしたいとか思ったり…」
スペインの言葉にAは黙り込む。自分の知らない過去。少し知りたいと思ってしまうのはいけないことですか?
「ま、今も便利やから、文句は言ってられんけどな!」
あははっと盛大に大きく笑う。
「…別に良いと思いますよ。」
「へっ…?」
「別に、昔の方が良かったとか思っても。」
Aの言っている意味はわかるが、意図が読み取れず、スペインは困惑する。
「僕には昔のこととか、よくわかりませんが。人によって価値観が違う、ということはわかっています。…だから、今の社会が好きな人もいれば、昔の方が好きな人もいます。………幸せは、人それぞれですから。」
スペインは目を見開く。忘れかけてたことを今、思い出された。
(あぁ…この子は、感情をこんなにも理解できる子なんやな…。あかん。大事なことを忘れとったわ…)
「せやな…。ありがとさん。ちょっとは考えさせてくれたわ。……ほな、イタちゃん家、着いたわ。……せや、今度、遊びに来てもええかって、ロマに聞いとってや。…また、一緒にシエスタしよって。」
「……はい。わかりました。」
お互いにニカッと笑い合った。
「ただいま帰りました!」
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新月の団子(プロフ) - とても面白いです!続きのお話待っています!(о´∀`о) (2018年3月29日 20時) (レス) id: 3d5a1dcf59 (このIDを非表示/違反報告)
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