【APH】Feeling ～ series2～ (ページ11)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:3,576 hit

10 ページ11

「冬はやっぱり寒いねぇ。」

「そうですかね。……それよりも、妹さんの目線の方が寒いですが…」

Aは初めて…ではないが、ロシアに来ているのだ。前に来たときは日本まで行くルートとして使っただけだから、まぁ実質初めてなのか。

ロシアはベラルーシの視線を遮るように扉を閉め、頑丈に鍵をかけながらAに話しかける。

「君はさ、今の世界についてどう思う？」

「いきなりどうしたんですか。」

ロシアのいきなりの問い掛けにAは戸惑う。

「あのね、僕はこの世界が嫌いなんだ。」

「……。」

「もともと、僕は寒くて広いこの家に、たった一人でいたんだ。…けど、お互いに助け合わないとダメな時もある。…相手がどう思ってるのかわからないけど、僕は楽しかった。みんなと協力し合うのが。」

「使ってるの間違いじゃないですか。」

「何でいるのかな？ラトビア♪」

ぴょこっと顔だけ出してそう言ったラトビアの頭をぎゅうぎゅうしながら追い出す。

「けど、機械化が進んだ今は、そんな必要が無くなっちゃって…僕の周りには本当に誰もいなくなっちゃって…」

「兄さん‼私はいつまでも側に‼」

「お願いだから僕に話をさせてー‼」

─────────────────

「そう…ですか。」

正直、どう受け答えするべきなのか、Aにはわからなかった。

造られてから、一人ぼっちになる経験をしていないこともあり、Aにはロシアの言っていることに共感できないのだ。

彼女にはイタリア達がいる。アメリカや、日本も…それに、イギリスも…みんな…みんな周りにいてくれる。

「僕は…この世界を嫌ってはいません。みなさんと楽しい時間を過ごさせてもらっていますから…。」

ロシアは、へぇ…と呟いた。その声色は、羨ましそうで…どこか、冷たかった。

「ま、君はロボットだし。…今までのこの世界も知らないからね。」

その言葉にAは思わず黙り込む。