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Aは一歩、また一歩と足を踏み出す。カツンカツンという足音が緊張感を更に掻き立てる。まぁ、そもそもそんな感情はAにはまだ備わっていないのだが。
後方を確認すると、イタリア達は既に曲がり角を曲がって姿が見えなくなっていた。
ならば後は大丈夫だろう。
「隠れてないで出てきてください。尾行の目的は何ですか?」
淡々とした喋りが今だ特徴的だ。
「あー、バレてた?」
角の影から出てきたのはチャラそうな青年と、厳しそうな女性。
Aは彼らの姿を捉え、危険人物リストにすぐさま登録した。
「まぁまぁ、そんな固くならないでさ、」
「近付かないでください。」
青年がAに近付こうとするが、Aはもともと設置してある、アームの部分のナイフを取り出した。
彼は「おー、怖い怖い。」と、降参するかのように両手を上げながら立ち止まった。
「何が目的かわかりませんが、どんなことからでも国々の安全は守り抜きます。」
Aには国の護衛のプログラムが仕込まれているのに加え、感情も含まれている。まだ少ない期間だが、みんなと過ごしてきた日々は、Aの大切な時に代わらない。
(何が何でも、守り抜かなくては…)
身構えたAに青年は笑いだす。
「あははっ。すっごい有能なロボットだね。」
「なっ─…」
Aは思わず躊躇った。何故自分の存在を知られているのだろうか…。人型ロボットは国家秘密のはずだ…
「おお?その様子は…何で俺らが知ってるのかって気になっている様だねぇ〜?」
「烏山。そろそろ本題に入りなさいよ。」
女性は退屈そうにしていたが、痺れを切らしたのか、事を進めようとする。
「あぁ。そうだね。俺らが用があるのは、君、Aちゃんだよ。」
烏山の言葉にAはポカーンとする。
「僕…?」
彼らがAに近付こうとしたとき、上から降りてきたのは…
「君達!俺達の大事なメイドに手を出すのは許さないんだぞ!」
「アメリカさん…?」
そう、HEROの国、アメリカだったのだ。
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新月の団子(プロフ) - とても面白いです!続きのお話待っています!(о´∀`о) (2018年3月29日 20時) (レス) id: 3d5a1dcf59 (このIDを非表示/違反報告)
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