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「暇だね…」
「あぁ。…暇だな…」
「暇ですね…」
ここはイタリアの家。椅子にだらりと座り、テーブルに頬杖をしているイタリア=ヴェネチアーノ。ソファーでだらしなく寝転がっているのがイタリア=ロマーノ。その隣のソファーにお行儀よく座っているのがA。
あれからかれこれ4ヶ月。平穏な日常が続いている。Aがショートすることも無ければ、イタリア達が充電を忘れることもない。ただただ、何もない日が続いている。
今の世の中、なんでもかんでもやってくれるのは機械。今では、家の中にも機械が取り付けられ、なにもしなくても勝手に掃除などが行われたり、料理ができたりしてしまう。
ちなみに、国の二人は、上司から
「あぁ。この機械が編集してくれてるから大丈夫だよ。家でのんびりしてなさい。」
と言われてしまったようで、仕事をしようにもできない状態となっている。
ロマーノとしては、こんなに仕事が無すぎて暇になる、なんてことは初めてだろう。
「僕のいる価値がわからなくなってきました…」
Aの仕事すら、他の機械に奪われてきてしまっているのだ。形や機能はほとんど人間と変わらない、というのも一つの原因だろう。
まぁ、少なくとも、人間よりかは機械らしいところはあるのだが…
「Aちゃんは俺らの目の保養だから大丈夫だよ〜…他の機械、ごっついし…」
イタリアが手をパタパタ振りながらそう言った。
「暇すぎるぞこのやろー…何かねぇか?どっか出掛けるとかよぉ…暇すぎて溶ちちまいそうだ…」
既に表情が溶けきっているロマーノがソファーからガタッと落ちてそう言った。ちなみに、落ちても下はふわふわなので、怪我の心配はいらない。
「そうだねぇ…どこか遊びに行こうか…」
イタリアはその意見に賛成する。しかし、今は12月。真冬ど真ん中なのだ。外に行ったところで、人は外に出ていないだろう。
機械があんまりにも発達しすぎて、買い物も通販。しかも、宅配も機械。町の掃除も機械。店なんて開いてたらそれこそ奇跡。
いったい、どこに遊びに行けば良いのやら…
「(はぁ…ここまで機械が発達しすぎてもなぁ…)」
イタリアは心底ため息を吐いた。
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新月の団子(プロフ) - とても面白いです!続きのお話待っています!(о´∀`о) (2018年3月29日 20時) (レス) id: 3d5a1dcf59 (このIDを非表示/違反報告)
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