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「んー…つまり、黒髪くんが私を殴って、意識失って仕方なく連れて帰ったってこと…？」
「殴ったって…俺がひどいみたいな言い方しないでよ〜」
いやだって事実…
「では、もう私も意識は大丈夫ですし…少しの間でしたが、ありがとうございました。…私はそろそろ帰らせていただきます。」
そう言って席を立ち上がると、周りの5人はキョトンとした表情をした。
「帰るって…ここ、海の上よ？」
んー…
「ぱぁーどぅん？」
できればそんな事実聞きたくなかった。
「だからぁ、船は出航したのよってこ〜とっ！」
金髪さん…そんな可愛らしく言わないでください。
「はぁぁぁぁぁぁあああああああああ！？」
「うるっさい」
「でっ！」
銀髪さんに殴られました…。
♞♘♞♘♞
「え、何で。何で私乗せたまま出航してるの？は？」
落ち着いてください、と朱桜君に窘められるも落ち着けるはずがない。
え、じゃあ何、私はもうあの場所に帰れないの？
「お前さぁ…ここがどこなのか分かってるのか？」
オレンジの髪の人がギラっと睨みながらそう言った。
え、さっきのうっちゅーはどうしたの？キャラ変わりすぎよ？ギャップっていうの？
「さっきからぎゃーぎゃーうるせぇんだよ…。海賊様にお世話になったって言うのに何もしないでノコノコ帰れるとか、思ってないだろうな…？」
え、なにこれ死亡フラグ？
「え、あ、あの…スミマセンデシタ…」
しばらくの沈黙。
なにこれほんと辛い。
「…ふっ…ふははっ…あははははっ！」
唐突に彼は吹き出した。
ごめんもう私には着いていけない…いや、元々だけども。
「えぇ…？」
「お前！面白いな！気に入ったぞー！ますます返したくなくなった！いや、元から返す気は無いんだけどな！」
わははは！と笑いながら言う彼に私はただ呆然とするしかなかった。
「あ〜らら、可哀想に…。王様に気に入られちゃったねぇ…ドンマイ」
銀髪の人に肩をポンポンされる。
「はぁ…？」
「よし！お前はこの瞬間からこの船の住人だ！拒否権は無いぞーっ！おれは月永レオ。この船、Knightsのleaderであり、船長だ！よろしくな！」
差し出された手をおずおずと握る。
すると、ぎゅっと握り返された。
ここから私の長い長い旅が始まったのだ……
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作者名：モノクロアリス | 作成日時：2017年6月23日 10時
