重いの嫌いって言わないで！【歌い手】 (ページ21)

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G ページ21

『A～、鍵空いとるけど～…………入るでー？』

俺は今、Aに呼び出されA家に来ている。本人曰く"早く来ないと色々な意味で死ぬ"らしい。どうしたんだろう。

リビングのドアを開けると急に体がぐらついた。

『っえ、A？』

「～～～っう、センラ…せんら、こわかった、せんら」

苦しいほど抱きついてきて、涙目になりながら俺の名前を呼ぶA。
その姿には何だかくるものがあって、少し照れてしまった。

『ど、どしたん。怖かった…って』

「あれ！あっちにいる！」

Aが指差すソファーの下にいる…そう、黒いソレ。ゴキブリだ。

『ちょ、まって！さすがにそれは俺も…』

「センラが嫌いなのは蜘蛛でしょ！！あれゴキブリだから！！はやく！」

Aはゴキジェットを俺に押し付けるなり背中に隠れた。
俺だってゴキブリ嫌やねん。

渋々ソファーの下にいるソイツにゴキジェットをお見舞いしてやると、ソイツは苦しみながらカサカサと這いつくばるように動いた。

「せ、センラのばか！！はやく仕留めてこっち来ちゃう！！」

はやく仕留めて、という言葉とは矛盾して俺に覆いかぶさるA。
急のことで足がぐらつき二人でソファーにドサッと倒れこんでしまった。

『うわっ、ちょ、』

「もうやだセンラ全然役に立たないぃ～～～……志麻くん呼んで！！」

『やかましいわ！！あんな奴呼ばんでええしゴキブリも俺が倒すわボケ！！一旦離れてや！』

役に立たないなどと言っておきながら俺の首にしがみついているAは少し可愛くてムカついた。

「…30秒で仕留めて」

『誰がパズーやラピ◯タには行かへんわ！！』

Aの腕を外し、未だにリビングで走り回って苦しんでいるソイツをスパン！と雑誌で叩く。

「…殺った？」

『…天に召されたわ』

「センラってやっぱり頼りになるしイケメンだよね来てくれてありがとう」

『突然の手の平返しやめて』

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