. ページ38
…
「この前でたゲームもう買った？あれめっちゃおもろいで」
「え、まーしー買うの早ない！？てか俺金無いわあ」
「今度貸すで。あ、それか久しぶりに俺んち来ればええのに」
志麻は放課後パンケーキを奢ると言ってきた癖に、いざHRが終わると幼馴染の三人と話し始めた。
…まあ私もあの三人にはそれなりにお世話になっている訳だし、無理矢理会話を遮るのも申し訳ない。
何も出来ずに教室のドアの前で立ち尽くす私ができることと言ったら、志麻に"話してないで早く来て"オーラを送ることくらいだ。
「……まーしー、もしかして妹と帰る約束とかしとる？」
「え？なんで？」
「いや、Aちゃんからすごい視線を感じるんやけど…」
どうやらオーラに効果はあったみたいで、センラくんが気づいて志麻に教えてくれてるみたい。
すると志麻は「あー！！」と声を上げて慌てて私に向かって「ごめん」のジェスチャーをした。
うらたくんとセンラくんは呆れた様子で彼を見ている。あの人、絶対忘れてたでしょ。
「A〜！！まじでごめん、結構待ってた？よな？？」
『…5分くらい』
「えっほんまごめん」
志麻は三人に「今日Aとデートやった！！帰るわ！」と手を振った。
何、デートって。わたしはただパンケーキ食べに行くだけですけど。
「ほら、行こ行こ！」
心底嬉しそうに私の手を引く志麻を見ていたら文句を言う気なんて起きなくなってきて、私はそのままされるがままに廊下を歩いた。
「…見た？まーしーのめちゃくちゃ嬉しそうな顔」
「あいつ妹大好きすぎだろ」
「まーしーが彼女出来ない理由って絶対アレやんけ」
⋮
「ここ1回来てみたかったんよね、1人じゃなんか入りづらかったし」
『……志麻ってほんと甘党だよね』
「だって甘いの食べたら幸せにならん？…ほら、座ってええよ」
そう言いながら椅子を引いてくれる志麻はちょっと紳士っぽくて、何となくムカついた。
けど一応「ありがと」と小さく呟いて腰を下ろす。
彼は向かい合わせのその席に座るなり、嬉しそうな顔をしてメニューを開いてみせる。
この生クリームいっぱいのってるやつ、志麻が好きそう。……って、なんで私が志麻のパンケーキ選んでるの。
「あ、俺これにしよ〜。Aは？この苺のやつとか好きそうやけど」
……当たってる。ていうか、なんで志麻も私が見てたやつさらっと選んでるの。
私たち仲良しな双子みたいじゃん、やめてよ。
『…志麻が言うなら、それでいい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いろみず(プロフ) - ぐわぁぁぁ(尊死) (2021年6月27日 19時) (
レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
もものせ(プロフ) - ぷちゃさん» 公開しました！！御報告ありがとうございます！ (2021年6月19日 0時) (レス) id: 4421996c2f (このIDを非表示/違反報告)
ぷちゃ(プロフ) - コメント失礼します。しまこちゃんのお話の1話目が抜けている気がするのですが、追加していただけないでしょうか、？ (2021年6月18日 23時) (レス) id: 09d034a7a0 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 100,000hit おめでとうございます！！！すごすぎますね！！！ (2021年3月26日 21時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 1の時初コメした者です…！ 久しぶりにこの作品を見つけて読んでみるとやっぱり最高でした…！！更新待ってます！ (2021年3月21日 23時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
