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『わたし、しまこちゃんには勿体無いよ…可愛げもないし、頭悪いし…』
「そんなの関係ないです!ていうか、先輩はかわいいですよ」
『そんなこと、ないとおもうんだけど……』
私の顔を覗き込んだしまこちゃんは恋人を見つめるかのように愛おしげな瞳でふわりと微笑んだ。
ああもう、それ、月崎くんとそっくり。
月崎くんが私をからかう時の目だ。
「先輩、照れてますか?」
『や、ちが』
「先輩かわいい、かわいいです」
『わかった、わかったから』
こんなの私が耐えられない。
手の甲で顔を隠せばまた「かわいい」なんて言ってくる。
「わたし、もっとかわいい先輩が見たいです」
『な、なにが』
私の言葉を遮るように、しまこちゃんは自分の手で私の頬を包んで顔を寄せた。
何をされるかなんて容易に想像出来てしまって、思わず目を瞑る。
「先輩、大好き」
唇に同じぐらいの体温のそれが当たった瞬間、頭の中が真っ白になって、耳に入ってくるのは蝉の声だけ。
私たちの間でだけ、時間が止まったような気がした。
『……あ、え』
「…なにその顔」
お互いの顔が離れた瞬間、口を両手で抑えて後ずさる。
彼女は薄く笑って私を見ているだけだ。
ファーストキスだったけど、何故か嫌じゃなかった。キスはレモン味だとか言われたりしているが、正解は味なんて無い。一瞬すぎて味なんて分からない。
「…ごめん先輩、嫌だった?」
『嫌、ではなかった、けど、』
「けど?」
『……わかんない、私、どきどきしてる…』
しまこちゃんはびっくりしたような顔をしたあと、嬉しそうに俯いた。
「…わたしでも、先輩のことどきどきさせられるんだ」
独り言のようにそう呟いて、彼女も私と同じように唇に手を当てる。
彼女の顔は誰からどう見ても"恋する女の子"で、見ているとこちらまで胸が締め付けられそうだ。
「……好き」
『しまこ、ちゃん』
「わたし、先輩のこと1番幸せにできる自信あります。だから、」
彼女は顔を上げて、その後の言葉を詰まらせた。
「付き合ってください」
心臓が一際大きく跳ねた気がした。
私は口を手で抑えたまま俯く。そして、掠れたような小さい声で呟いた。
『……わたしで、いいなら』
「ほんと?」
『だってしまこちゃん、好きなんでしょ、私の事』
「え、え、え〜〜…すき…」
しまこちゃんは心底幸せそうな顔をして涙目で笑った。
こんな気持ちになったのは、久しぶりだ。
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終わり方わかんないですごめんなさーーーい
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いろみず(プロフ) - ぐわぁぁぁ(尊死) (2021年6月27日 19時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
もものせ(プロフ) - ぷちゃさん» 公開しました!!御報告ありがとうございます! (2021年6月19日 0時) (レス) id: 4421996c2f (このIDを非表示/違反報告)
ぷちゃ(プロフ) - コメント失礼します。しまこちゃんのお話の1話目が抜けている気がするのですが、追加していただけないでしょうか、? (2021年6月18日 23時) (レス) id: 09d034a7a0 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 100,000hit おめでとうございます!!!すごすぎますね!!! (2021年3月26日 21時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 1の時初コメした者です…! 久しぶりにこの作品を見つけて読んでみるとやっぱり最高でした…!!更新待ってます! (2021年3月21日 23時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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