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彼の頬が私のように赤いのは酔っているからなのか、キスをしたからなのか。
私からしたら後者がいいけど、きっと前者だろうな。
「ごめん、誕生日だから調子乗ったかも」
『…べつにいいけど』
誕生日になると坂田は調子に乗ってキスをする……と、心の手帳にメモをしておいた。
これまでにないぐらい嬉しそうな坂田に、私もどうしようもなく嬉しくなる。
まあ、恋人だし。坂田のこと好きだし。
彼氏が嬉しいと彼女の私も嬉しくなるのは当たり前だと思うんだ。多分。
「あー…しあわせ…」
『そんなに?』
「リスナーのみんなに……ていうか彼女に誕生日祝ってもらってるんやから、幸せやろ」
『そういうものなの?』
「そういうものなの」
…まあ確かに、私も坂田に誕生日を祝ってもらったら嬉しいし、そういうものか。
「A、好きやで」
『…デレ坂田?』
「なんやねんデレ坂田って」
『だっていつもそんな好きとか直接………えっ?』
「動揺すんな動揺すんな」
楽しそうにけらけらと笑った後、彼は私を抱きしめた。ぎゅうう、みたいな音がつきそうなぐらい。
なになに、今日デレすぎでは。不覚にもかわいいと思ってしまった。
やはりこれも誕生日パワー??分かんないけど。
『さか、た』
「心臓ばくばくさせながらやっとるんやから、素直に受け止めろや」
『え、えええ、えっ……ええ、』
「…顔真っ赤でかわいー」
そりゃ赤くなるでしょ。だってこんなにデレること滅多にないし。かわいい、とかもたまにしか言わないし。
動揺しない方がおかしい……というかリスナーさんにこの坂田見せたい。自慢とかじゃなくて本当に。
『……これが坂田ズバースデーの力』
「…うるせー……」
少し離れたと思ったら、またキスをしてくる。
もうなんなのほんと。
そう思いながらもキスを拒むことは出来なかった。
私ができるのは顔を赤くするぐらい。あと、甘えたな坂田を受け入れること、とか。
「もうしばらく、起きてたいんやけど」
抱きしめられながら彼の心音を感じて、私はぎこちなく頷いた。
29歳の彼は、ある意味見た事のない彼だった。
そんな彼も好きではあるけど。
、
12 . 05
Happy Birthday !!
♥ . SAKATA . ♥
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いろみず(プロフ) - ぐわぁぁぁ(尊死) (2021年6月27日 19時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
もものせ(プロフ) - ぷちゃさん» 公開しました!!御報告ありがとうございます! (2021年6月19日 0時) (レス) id: 4421996c2f (このIDを非表示/違反報告)
ぷちゃ(プロフ) - コメント失礼します。しまこちゃんのお話の1話目が抜けている気がするのですが、追加していただけないでしょうか、? (2021年6月18日 23時) (レス) id: 09d034a7a0 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 100,000hit おめでとうございます!!!すごすぎますね!!! (2021年3月26日 21時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 1の時初コメした者です…! 久しぶりにこの作品を見つけて読んでみるとやっぱり最高でした…!!更新待ってます! (2021年3月21日 23時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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