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しばらく倫太郎に抱きしめられながら、頭を撫でられ続ける。

頭を預けた倫太郎の胸からは、トクントクンと心地よい心音が聞こえる。なんだかこのまま眠れそうだ。



『あーあ、…帰りたくないなぁ』

「俺も帰って欲しくない」



もうすぐ倫太郎のいない愛知県に帰らないといけない。

やだなぁ。折角会えたのに、折角付き合えて彼女になれたのに。心は1番近い存在のはずなのに1番近くに居ることができないなんて。



『…遠距離恋愛になるんだよ、よかったの?』

「いいよそんなの。Aが他の人に取られる方が嫌だから」

『…そ、』



私も同じだ。

倫太郎が私以外を好きになって付き合って、大好きな寝落ち電話を他の人に取られるなんて今はもう考えられない。



「ね、顔上げて?」



優しい倫太郎の声に、そっと彼の胸から顔を上げた。



「言いそびれたけど、髪型もメイクも服も全部似合ってる。俺のためにしてきてくれたの?」

『…うん』

「ふふ、かわいいね」



……甘い。さっきから可愛い可愛いって甘すぎる、!!彼女になった途端対応変わりすぎなんだけど!デロデロに甘やかして溶かすつもりか!?


私ばかり照れてるのが悔しい。

その腹いせに手を伸ばし、倫太郎の頬っぺたをぐにっと優しく抓ってみた。すると意外と触り心地がよくてそのままふにふに、と触り続ける。

きょとんとした顔のままされるがままになっている倫太郎に思わず『かわいい』と言って笑いをこぼすと、倫太郎の方からも頬を抓られた。『いひゃい、』と涙目になりながら言うと「かわいい」と笑って返された。うぐ、またやられた。


触ることに満足したのか、倫太郎は私の肩に顔を埋めた。ズシッとした何故だか心地よい重さが肩に乗っかる。



「っはぁ、北さんに取られたらどうしようかと思った」

『え、キタさん?なんで?』

「だってファンって言ってたじゃん」

『大丈夫だよ推し(仮)だから』

「(仮)て」

『…好きなのは、倫太郎だけだよ』

「…ん、そっか」



少しぶっきらぼうに呟いて、抱きしめる力を強めた倫太郎。

私は『あ、照れてる』と少し嬉しくなりながら、片手は倫太郎の背中に回したままで優しくその頭を撫でた。


▽→←▽



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宮兄弟最推し - 最近ハイキューのオタクになって、読むの、投稿されてかなり遅くなりましたが、最高です!胸の奥がギューンてなりました。 (5月20日 20時) (レス) @page48 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
名無し23523号(プロフ) - めちゃくちゃリアル、私も時々寝落ち通話する男の子がいるのでわかる〜!!ってなりながら読んでました笑面白かったです! (2022年1月1日 20時) (レス) @page48 id: 0378de78dc (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - ばりええ話でした!この話好きです!他のキャラの寝落ち通話話とかみてみたいです! (2021年10月25日 2時) (レス) @page48 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺にいる低音野郎、(プロフ) - もう最高でしたッッッ‼‼‼‼更新無理せず頑張ってください‼‼‼‼ (2021年10月17日 20時) (レス) @page26 id: aed207b57b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たみ | 作成日時:2021年10月7日 23時

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