角名くんと寝落ち電話【角名倫太郎】

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「だから言ったじゃん、圧強いって」

『想像をはるかに超えた。稲荷崎コワイ』



…稲荷崎ちょっと楽しそうだな、なんて思った私がバカみたいだわ。普通に考えたら、私なんか倫太郎と仲いいから間違いなく女子の嫉妬の的になるだろうし、キタさんなんかギャップは凄くいいんだけどギャップの部分が振り切っちゃってるわ(？)

地元の高校って平和だね。今なら周りに最大限の感謝を伝えられそう。みんないつもありがとう一生大好き。



「キタさんのファン辞めたくなったでしょ」

『いや全然』

「なんでだよ(２回目)」



ギャップがギャップすぎただけでそんな嫌いになるほどじゃないからね？てかファンっていってもそんなガチのやつじゃないからな？？ただのノリだよ。



「ちなみにこの後銀がとばっちり受けてた」

『銀ってあと１人のキリッてした感じの子？』

「そうそう」

『なんて言われてたの？』

「“ 銀、お前も見とったんなら止めぇや ”って言われてた」

『あははっ、銀くん、か、可哀想にっ、』



ただ見てただけなのにその仕打ちって可哀想過ぎでしょ…！やばい笑いとまんない。

ていうかケンカ止めなかったのは倫太郎もだろうよ。ご丁寧にこんな動画まで撮りやがって。面白いからいいけど。



『倫太郎こそ動画撮ってて怒られなかったの？』

「俺は危険を察知してトイレに逃げ込んだから」



動画の最後 切られる直前、やけにブレてたのはそういう事か。…相変わらずずる賢いヤツめ。





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色々話して、そろそろ眠くなってきたな。と思い、１つ大きな欠伸をする。

すると、電話の向こう側からも「くぁ、」と控えめに欠伸をする音が聞こえてきた。



『あれ、倫太郎も眠いの？』

「Aの欠伸が移った」

『ふふ、でも声ちょっと眠そうだよ』

「…バレた？」



電話越しに聞こえてくる倫太郎の声も、いつもより心做しかトロンとしていて呂律があまり回っていないようた気がする。



『いっつも私が先に寝ちゃうからさ、今日は一緒に寝よーよ』

「ん、そうだね」



そう考えたら、いつも私ばっかり先に寝てて、先に倫太郎が寝落ちしたことは無いかも。



『それじゃ…おやすみ、倫太郎』

「おやすみ、A」



最後、倫太郎から甘い声で優しく包まれるように囁かれる。

少し胸がトクン、と音を立てるのを感じながら、スッと暗闇の中に落ちていった。


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