本当の貴方は何処へ〈鬼滅の刃〉

捌 ページ10

禰豆子が急に止まる。

そこには、鬼に囲まれた炭治郎がいた。

目には零と刻まれており、気配が前よりももっと禍々しく感じる。

この鬼共を倒さなければ炭治郎に近づけない。

柱が動き出そうとしたとき、不意に炭治郎が刀を抜く。

すると、瞬きの間にすべてを切り落とした。

もしかして味方に...

誰もがそう思ったとき

「そこの人間。何時まで隠れているんだい？」

炭治郎の声で

炭治郎の仕草で

炭治郎の顔で

『人間』と呼んだ。

つまり、目の前にいるのは日柱の竈門炭治郎ではなく鬼殺隊の敵である鬼なのだと。

柱の皆(みな)が覚悟を決める。

柱の中には涙をこぼしながらも決めたものがいた。

ごめん。

炭治郎。

鬼にさせてしまって

苦しかったろう

憎んだだろう

俺達鬼殺隊が助けてやるから。

皆がそれぞれの型を構えたとき誰かが前に飛び出した。









「「「「禰豆子！！！！」」」」








飛び出した禰豆子は炭治郎のもとへ走る。

殺すために。









ごめんね。

お兄ちゃん。

一緒に暮らそうと思ったけど、お兄ちゃんの悲鳴が声が聞こえるんだ。

助けてあげられなくてごめんね。

今、殺してあげるから。

柱の人達が殺してくれるから。

それまでは私が相手をするよ。








そうして、手を伸ばした禰豆子の手を炭治郎は容赦も躊躇もなく切り捨てた。

玖→←漆

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