鬼退治には黍団子が必須です。[鬼滅の刃]

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「……鬼舞辻無惨の情報が欲しい？」

「…そうだよ。いつも尾を見せては逃げられるばかりだからね」





――――今度こそはちゃんと仕留めてあげないと、亡くなってしまった子供たちが可哀想だよ






お館様と呼ばれる人にそう言われてハッとした。


あいつは、鬼舞辻無惨は、
自分の理想のためにはどんな犠牲も躊躇わない冷酷な鬼だ。


あいつがいる限り、善人も人間だった頃のことを忘れてしまって、未来ある人間の命を費やす悪になってしまう。



鬼といえど、元は人間。

でも、ちゃんと罪を償わなければいけない。



自分が生きていくために他の動物を殺しているのは人間も同じ。
違うのは、ちゃんと心を込めて「いただきます」「ごちそうさまでした」を言っているかどうかだと僕は思う。



でも、鬼は。

行きあたりばったりに人間を殺し、碌に感謝もせずに喰らっている。






あいつを殺すためには、負の連鎖を断ち切るためには、

鬼殺隊に情報を渡すしか無い。







血鬼術がまだ使える身である僕達が、鬼舞辻無惨に見張られていないはずがない

きっと、上弦の肆あたりの目(・)を使って見ているんだろう。



何、Aに余計な心配をかけさせたくないから心の奥底に仕舞っているだけだ、

人間に戻ってからもずっと不安と恐怖を感じている。




情報漏洩で細胞の崩壊が始まったりしないかな

今僕らが生きながらえているのは、きっと太陽を克服し、呪いを外した鬼だから。




見つかってしまったら吸収されるだろう

己の欲を満たすために。








それでも―――





「……鬼舞辻無惨は青い彼岸花を求めています」

「青い彼岸花ァ？彼岸花ってのは赤いのが普通だろォ？」






―――己の身を犠牲にしてまでも僕はこの道を選ぶんだ。



あの晩、僕らを見下ろす満月に誓ったんだ。僕はこの手で罪無き人を殺めない、と。

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