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―――――一方その頃産屋敷邸では、半年に一度行われる柱合会議が行われていた。
炎柱、煉獄杏寿郎がいつものご挨拶を済ませた後、お館様は今年入隊した"子供たち"のことを説明した。
「なんでも今年は素晴らしい子がいてね。藤襲山の鬼を1人で沢山斬った女の子がいるんだ」
「それは派手だな」
音柱、宇髄天元の言葉に柱が揃いも揃って頷く。
……水柱、冨岡義勇は今は亡き錆兎のことを思い出していたが。
「その子は桃の呼吸を使っていてね。元藤柱の桃川フジヱと元川柱の桃川タカヲの子らしいんだ」
「なんと!御二方には御子がいないと伺っていたのだが!」
「それがね、桃から生まれたらしいんだ。なんとも信じ難い話だけど、2人の言うことだから、本当なんだろうね」
「あのう、桃川タカヲさんって先日上弦の伍に襲われたって聞いたんですけど…」
恋柱、甘露寺蜜璃が手を小さく上げて、顔を赤らめながら尋ねる。
その姿に蛇柱、伊黒小芭内の心は荒れていた。
――なんて可愛らしいんだ、甘露寺は。この隣にいる男(風柱、不死川実弥)と場所を代わって欲しいくらいだ。大体この男は………――と。
「タカヲは亡くなったと知らせを受けたんだけどね。実は、遺体が見つかっていないんだ」
「…まさか、鬼にされたのか……南無阿弥陀仏…」
「…今の所、その可能性が高いだろう、とフジヱからも文が届いたんだよ」
「……タカヲさんを斬れば良いということですね」
「そう。ああ、それと、藤襲山に入れる鬼も必要だね。Aが沢山斬っていったからね」
何でも桃の呼吸はとても美しいらしいということを聞いていたお館様は、病が進行して目が全く見えなくなる前に一度でいいから一目見たいという願いをそっと心の隅に追いやった。
「して、その女は―」
「A、だよ。実弥」
「…Aは、どんな理由で鬼殺隊に?」
「フジヱ曰く、山の動物たちから鬼殺隊の存在を聞いたらしくてね。なんでも、彼女は動物たちと喋れるらしいんだけど。鬼にタカヲが殺されてから笑顔が消えたフジヱの笑顔を取り戻したい、その一心から、人のためになりたい、と思うようになったみたいだよ」
ここにいる大半の子供たちと同じ理由だ。
でも、それだけの理由で強くなれる訳がない。
きっと、もっと大きな何かがAの中にあるのだろう。
お館様はこの時既にそう悟っていた。
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aoi(プロフ) - きつねさん» コメントありがとうございます!笑っていただけて凄く光栄です✨これからも精一杯精進致しますので、よろしくお願いします🙇♀ (2021年9月26日 19時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - 更新頑張ってください!応援してます!!!! (2021年9月26日 10時) (レス) id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - こんにちは、きつねです!とても面白いです!累の回想のところのサイステ先輩のセリフで爆笑しましたwwwwこの作品の、鬼を人に戻したり、夢主ちゃんが動物と話せたりする設定すごく好きです!!! (2021年9月26日 10時) (レス) @page30 id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ピッキーさん» コメントありがとうございます!本家様を見ながらだなんて…嬉しい限りです。これからも精一杯頑張りますので応援の程よろしくお願いします🙇♀ (2021年9月25日 22時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 今、無限列車編を見ながら作品見させていただきました!w今、めっちゃワクワクしてます!今後とも、更新頑張ってください!あと、タイミングばっちりで最高です!w (2021年9月25日 21時) (レス) @page30 id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)
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