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「昨晩は隣の家の子が連れ去られて今度はうちかと思うと昼しか寝られんでな」

「…そうなんですね」

「ああ。嬢ちゃんも気いつけてな」

「はい。ありがとうございます」






聞き込み調査で鬼が出没するところは粗方掴めていた。

格好が良くて、女の子に大層慕われている男の子が中心的に狙われていた。






 「虎ノ助くん、今日は一花と一緒に遊びましょう?」
 「違うわ、虎ノ助くんは津留と遊ぶのよ」
 「千紗子と遊ぶの!」
 「まあまあ、皆落ち着いて。皆一緒に遊ぼうね?」





虎ノ助くんと言ったか。


恐らく、彼が次の被害者だろう。



彼の後ろを気配を消して付いていき、夜になるのを今か今かと待った。






『……何だか恐ろしい雰囲気ね』

『俺は昼間の方が好きだ』

『なら来なきゃいいだろ!』






ぞくり。

背筋が凍るような気配。



辺りはすっかり暮れていた。






「そこにいるのは鬼狩り?」

「そうよ」





3匹は鬼を見上げると歯を剥き出しに威嚇を始めた。


虎ノ助くんの家の敷地にある1本の木の上にいるのは、なんとも見窄らしい格好をした女。

骨は浮き出て、牙を出し、猫のような目を大きく見開いた女。


ああ、可哀想に。






「何?私は男が欲しいの。早く若い男を喰らいたいの」

「へえ」

「ムカつくわね、さっさと退いてくれるかしら」






たん、と音を立てて木の上から降り立った女はAに襲いかかる。

それでも、Aの方が反応速度が早かった。


女の腕を切り落としたAは血生臭い鬼の匂いに参っていた。







「私の腕を切りやがって…!血鬼術 一木難支(いちぼくなんし)!」






血鬼術を使えるのか。

そう思った矢先、女が先刻まで乗っていた木がAを襲い始め、木の葉が刃のように飛んでくる。




なんとか日輪刀で木を真っ二つにし、そのまま女の頸に斬りかかった。





「桃の呼吸 弐ノ型 桃紅柳緑(とうこうりゅうりょく)!」





―――――桃の紅い花びらと鮮やかな柳の緑の葉


春の美しさを思わせるようなAの技に女は息を呑んだ。


彼女になら頸を斬られても良い、と。

_→←第二章 鬼の罪償い



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aoi(プロフ) - きつねさん» コメントありがとうございます!笑っていただけて凄く光栄です✨これからも精一杯精進致しますので、よろしくお願いします🙇‍♀ (2021年9月26日 19時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - 更新頑張ってください!応援してます!!!! (2021年9月26日 10時) (レス) id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - こんにちは、きつねです!とても面白いです!累の回想のところのサイステ先輩のセリフで爆笑しましたwwwwこの作品の、鬼を人に戻したり、夢主ちゃんが動物と話せたりする設定すごく好きです!!! (2021年9月26日 10時) (レス) @page30 id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ピッキーさん» コメントありがとうございます!本家様を見ながらだなんて…嬉しい限りです。これからも精一杯頑張りますので応援の程よろしくお願いします🙇‍♀ (2021年9月25日 22時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 今、無限列車編を見ながら作品見させていただきました!w今、めっちゃワクワクしてます!今後とも、更新頑張ってください!あと、タイミングばっちりで最高です!w (2021年9月25日 21時) (レス) @page30 id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月25日 9時

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