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最愛の夫を亡くしたおばあさんは悲しみに暮れた。


Aが話しかけたとき、おばあさんは作り笑顔を浮かべるだけで。

心の底からの笑顔をAに向けてくれることはなかった。





おじいさまの敵を討ちたい。

おばあさまを安心させたい。



―――鬼を倒したい






Aは13の誕生日を堺に見違えるほど強くなった。

それは、精神的にも、肉体的にも、だ。




体力づくりの一環として、


狼たちと共に山を1日に100周し、熊たちと相撲を取り、土竜たちを叩かないように木刀を振った。




Aが想いを打ち明けたのは、他でもない動物たちだったのだ。



最初こそ彼らは反対した。



鎹鴉を友人に持つ烏たちは、

鬼を討伐することがどれだけ厳しいことかを知っているから。


飼い主を目の前で鬼に殺された犬たちは、

鬼の恐ろしさを身を持って経験しているから。



それでも彼らが応援しようとしたのは、

Aの強い意思を感じたから。






『A様、ご存知ですか。鬼を倒すには日輪刀というものが必要だということを』

「にちりんとう?斧じゃだめなの?」

『はい、残念ながら』

「うーん、どうすれば手に入るのかしら」





烏は主に情報提供をしていた。

鎹鴉から聞いた情報を元に、Aの鬼退治のために動物たちを引っ張っていってくれているのだ。





『これ、にちりんとうっていうものかい?おいらの息子が取ってきたんだが』

『馬鹿野郎!日輪刀を取ったらその持ち主は死ぬかもしれないのだぞ!』

『ああ、持ち主は残念ながら既に……』

『……そうだったのか、すまない』





青色に光る刀。

Aは太陽にその刀を翳した。



―――僕の敵も討ってくれ



一瞬、そんな声がしたような気がした。



太陽の元でキラリと輝く刀は、相当に手入れが施されていたのだろう程の輝きを放っていた。



刀を取ってくれた猿にありがとう、と述べて、時が来るまで持っていてくれるように頼んだ。





『鬼を倒すには呼吸を使えた方がいいそうだ』

「呼吸?いつもしてるじゃない!」

『違う!全神経を集中させて繰り出す技のようだ』

「全神経を…」





烏の説明は分かりやすかった。

だが、実際に見てみないと詳しくは分からない。



百聞は一見に如かず、だ。

Aは何とか"鬼殺隊"に接触したいという想いが強くなった。



そして、その願いがすぐに叶うことも、この頃のAは知らなかった。

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aoi(プロフ) - きつねさん» コメントありがとうございます!笑っていただけて凄く光栄です✨これからも精一杯精進致しますので、よろしくお願いします🙇‍♀ (2021年9月26日 19時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - 更新頑張ってください!応援してます!!!! (2021年9月26日 10時) (レス) id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - こんにちは、きつねです!とても面白いです!累の回想のところのサイステ先輩のセリフで爆笑しましたwwwwこの作品の、鬼を人に戻したり、夢主ちゃんが動物と話せたりする設定すごく好きです!!! (2021年9月26日 10時) (レス) @page30 id: c05aa2aa81 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ピッキーさん» コメントありがとうございます!本家様を見ながらだなんて…嬉しい限りです。これからも精一杯頑張りますので応援の程よろしくお願いします🙇‍♀ (2021年9月25日 22時) (レス) id: b78e149b88 (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 今、無限列車編を見ながら作品見させていただきました!w今、めっちゃワクワクしてます!今後とも、更新頑張ってください!あと、タイミングばっちりで最高です!w (2021年9月25日 21時) (レス) @page30 id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月25日 9時

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