幽霊君と管理人さん ページ4
sideA
何時からここに居るかは覚えてない。気づいたら暗くて冷たい場所に居て…この監獄の中にいた。帰り道を聞きたくて、俺とお出掛けした人を探してるけど見つからない。その人のことを聞きたくて、この監獄の人達に声をかけてたけど……みんなみんな怖がって話もしてくれなかった
だけど…この前、ちゃんと俺とお話をしてくれた人が居たんだ。この監獄の…メロピデ要塞の管理者って言ったその人は見た目はとても怖そうだけど、出て行けって言った事をわざわざ謝りにも来てくれる優しい人
「楽しそうだなぁA君、一体そこで何をしているんだ？」
何時でも来ていいって言ってくれたあの日から、俺は毎日執務室に来ていた。今日も執務室に来たけれど管理人さんは居なくて、暫くの階段を登ったり降りたりしていたら、戻ってきた管理人さんが俺を見て笑顔を浮かべた
『管理人さんが帰って来るの待ってたんだよ。どこかにお仕事行ってたの？……誰にも見つからない様に管理人さんのこと探したけどどこにも居なかったから』
「待たせてしまって済まなかったな。上に用事があって出てたんだ」
『上…？』
「あぁ、フォンテーヌ廷に少し。後は…看護師長が話していた新作のスイーツを買って来たのさ」
そう言った管理人さんは階段を登って、スイーツの入った箱を置いて俺の方を振り返る。どうしたのかなって思って見てたら管理人さんが「おいで」って言うから、俺は大人しく管理人さんの横まで歩いて行った
「これが買ってきたスイーツだ。この中にキミの食べたいものはあるか？」
『え？』
「ん？」
『……あの…』
「……食べられないのにどうして、って？」
『…うん』
質問に頷けば管理人さんは俺をじっと見て暫く黙った後、ふと笑って……まるで俺の頭を撫でているように手を翳して来た
「俺はキミを1人の人間として扱っているからさぁ……キミが箱を開けて中を見た時、自分の分だけ無くて傷付いてしまうのを見たくなくてね……特別許可食堂で皆が食事をしていた時も羨ましそうに見ていただろ？……実査に食べる事は出来ないけど、形だけでも一緒に食べようかと思ったんだよ」
そう言ってくれた管理人さんの言葉に俺は気付けば涙を流していて、慌てて目元を擦れば……管理人さんは俺と視線を合わせる様に膝を折った
『…』
「ハハッ……あぁほらな、やっぱりそうだ。やっと本来の姿を見せてくれたな…A君」
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風船ガム - フウマさん» 初めまして！コメントありがとうございます！リオセスリの男主の小説……ないですよね…！更新頑張ります！ (10月10日 21時) (
レス) id: 2737623305 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - はじめまして リオセスリの小説ありがたいです！しかも男主なのが最高です！更新頑張ってください！ (10月10日 9時) (レス) id: 20896eb70c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年10月9日 23時
