公爵様と幽霊君 ページ3
『管理人さん』
「うん、なんだ？」
幽霊君が俺の前に再び姿を現してくれてから1週間。彼は俺を管理人さんと呼び、日中も執務室になら姿を見せるようになった。椅子に座り雑務をこなしていた俺の手元を覗き込み、幽霊君は口を開く
『…お手伝いすることある？』
「手伝いか……幽霊君は暇を持て余しているのかな？」
『うん……俺のこと、怖がらないでお話してくれるの管理人さんだけだし…ここで動けるのは夜だけだから』
「…そうか。それなら今日は俺の話し相手になって欲しいな。休憩をしようにもお茶の相手が居なくてね…少し待っていてくれないか。直ぐにお茶の用意をするから」
『…え、でも』
「ああ、大丈夫…キミは残しても構わないぜ」
幽霊だから飲めないよ、と言いたいんだろうが…それでもお茶をするのに相手の分を用意しないのは失礼だろう。2人分のお茶を用意し、ひとつをA君の前に置く。彼はしばらくお茶をジッと見つめたあと再び俺へと視線を戻した
「A君はお茶は好きか？」
『…分からない…でも、管理人さんがいれてくれたお茶は美味しそうな匂いがする』
「ほぉ…それは嬉しいな」
まさかそんな事を言わるとは思わず、つい口元を綻ばせてしまう。A君はそんな俺の表情を見て、何が面白いのかと小さく首を傾げていた
「いいや…キミの口からそんな言葉が聞けるとは思ってもいなかったから嬉しくてついね。会った時がアレだったから、てっきり嫌われてるものかと」
『さっきも言ったけど、管理人さんしか俺とお話をしてくれないんだ…みんな怖がって逃げちゃうから……だからね、俺とお話してくれる管理人さんの事は嫌いじゃないよ。ただちょっとだけ…最初は怖かったけど……でも、今は大丈夫』
ティーカップへと視線を落とし言ったA君に俺は再び驚いた。たった1週間しか経っていないのにこんな事言われるなんて思ってもいなかったからだ……だがまぁ…長く一人だったが故に話せる相手が出来て嬉しいんだろうな
「キミはずっとこの要塞に居るんだろう？」
『うん』
「なら何時でも俺の所に来るといい。昼でも夜でも、何時でもな」
『…お仕事してても？』
「俺の手が空くまで良い子に待っていられるなら構わないさ」
期待したように目を輝かせて言うもんだから、それはダメだと言えずにそう返す。俺の言葉を聞いたA君は小さな子供の様な無邪気な笑顔を見せた
「……何時でもおいで」
『うん、ありがとう、管理人さん』
無邪気に…親が迎えに来た時の幼子の様に笑ったんだ
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風船ガム - フウマさん» 初めまして！コメントありがとうございます！リオセスリの男主の小説……ないですよね…！更新頑張ります！ (10月10日 21時) (
レス) id: 2737623305 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - はじめまして リオセスリの小説ありがたいです！しかも男主なのが最高です！更新頑張ってください！ (10月10日 9時) (レス) id: 20896eb70c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年10月9日 23時
