公爵様と幽霊君 ページ2
sideリオセスリ
あれから凡そ1ヶ月半、幽霊君は全く姿を見せなかった。俺は毎日深夜の見回りをしていたが、その間一度も姿を見た記憶はない。やはり傷付けてしまったか、と後悔しながら今日もまた俺は深夜の見回りに勤しんでいる
「お疲れ様です！公爵様、今夜もまた見回りでしょうか」
「あぁお疲れ様……まぁそうだな、俺が見回りをし始めてからは噂の幽霊君も姿を見せなくなったからな」
「確かに、ココ最近は看守や囚人達の口からあの噂話は聞きません。公爵様が解決してくださったからでしょうか」
「ハハハッ、そんな所かもな。キミもあまり無理するなよ」
看守の1人と軽く言葉を交わし俺は再び足を進める。居房エリアから管理エリア、生産エリアの上層、下層……そして見回りが廃棄されたエリアに差し掛かった時…ふと足元に冷気を感じ俺はピタリと足を止めた
「……」
辺りに人の気配はない…だが、誰かが居る気配がある
「そこに居るのかい、幽霊君」
右斜め前方の箱が重なっている方へ視線を向け言えば、靄のようなものを纏いながらあの時の幽霊君が姿を現した。箱の上に腰をおろし、小さな子供の様に足をパタつかせて俺を見下ろしている
「こんばんは、こうして話をするのは何時ぶりかな」
『……』
「この間は俺が悪かったよ…あの時言った事は忘れてくれ。君に会いたかったんだ、話がしたかった」
『………話…？』
「あぁ、ちょっと幽霊君の名前が確認したくてね」
ピクリ、幽霊君の肩が揺れる。警戒心を瞳に宿し片膝をたて立ち上がろうとする彼に俺は「待ってくれ」と声をかけた
「俺はキミが探している男じゃない」
『……』
「…キミの敵じゃない、其れを伝えたかったんだ。あの日から、俺は自分の行動に後悔していたよ……なんで何も聞かないうちにキミを追い出そうとしてしまったんだ、ってね………幽霊君、キミの名前はA君だろう？」
敵意が無いと言う事を示すために両の掌を彼に見せてそう言えば、幽霊君の瞳が驚いた様に見開かれた。そして俺の元まで降りて来て、その瞳を此方に向ける
『…管理者さん…は、俺がどうしてここにいるのか、分かるの？』
「俺の推測が合っていれば…だけどな」
『……そう、なんだ…』
「なぁA君…キミさえよければ俺も協力させてくれないか。"この事"に関しては俺もどうにかしたいんだ」
小さく俯いたA君は少し考えた後、どこか不安そうに…心細そうに頷き、よろしくお願いしますと言った
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風船ガム - フウマさん» 初めまして！コメントありがとうございます！リオセスリの男主の小説……ないですよね…！更新頑張ります！ (10月10日 21時) (
レス) id: 2737623305 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - はじめまして リオセスリの小説ありがたいです！しかも男主なのが最高です！更新頑張ってください！ (10月10日 9時) (レス) id: 20896eb70c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年10月9日 23時
