独りぼっちの幽霊君 ページ1
sideリオセスリ
メロピデ要塞には何時からか、とある噂が流れ始めた。深夜1時を回った頃に、幽霊のようなものが現れる、と……1人の囚人からの目撃情報があったと思えば、立て続けに他の囚人や看守達までその幽霊を見たという
何処に現れるかは分からないが、姿を現すのは決まって深夜1時過ぎ……背はそこそこ高く……体格は普通で、少しあどけなさを残した少年のような、青年のような顔立ちをした幽霊だそうだ
「大の大人が揃いも揃って幽霊なんかにビビるかね」
実害がないから放っておいても良いとは思ったが、囚人達の間であまりにも噂が広がっているのでどうにか出来ればと深夜の見回りをする事にした。見張りの看守達に軽く挨拶をしながら要塞の中を歩き続けること数分………看守の短い悲鳴が聞こえ、そちらへ駆けて行けば淡く光る人影のようなものが目に飛び込んだ
「こ、公爵…」
「ご苦労さん。後は俺がどうにかするからアンタは医務室で休んでな」
顔を青ざめている看守に一言言ってその場から立ち去らせ、俺は例の幽霊へと視線を向ける。確かに噂通りの風貌だが…やはりこの幽霊からは敵意を全く感じない
「キミか噂の幽霊君か？」
『……貴方は誰』
「俺はここの管理者さ……悪いが此処に出るのは止めてくれないかな。囚人達も看守達もキミに怯えてしまってね…夜も眠れずその翌日は仕事にならないんだ」
『……』
俺の声を聞いた幽霊君はバツが悪そうにほんの少しだけ俯いた。言葉は通じているようだが、その表情はどこか暗い…
「ここから出て行きたくない理由があるなら話くらい聞くが……そもそもどうして成仏していないんだ？」
『………話せない…』
「話せない、ね……そいつは困ったな………なぁ幽霊君、此処は囚人が来る場所であって、キミの様な幽霊が居る場所じゃないんだよ。俺の言っている言葉の意味は分かるかな？」
勘違いしないで欲しいが……俺は実害がないからこの幽霊君を放っておいていいと思ってる。だが此処に居る奴らが毎日の様に俺に報告してくるので、今に至る訳だ
『……ごめんなさい………もう出ない様にするから…』
「……あぁ、それなら助かる」
ほんの少しの間の後、幽霊君は頭を下げてそう言うと煙の様に姿を消した。とりあえずは一件落着だと息を吐き執務室に戻ろうとした俺は、はた、とある事を思い出し…次の瞬間には「待て！幽霊君！」と声を上げていた
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風船ガム - フウマさん» 初めまして！コメントありがとうございます！リオセスリの男主の小説……ないですよね…！更新頑張ります！ (10月10日 21時) (
レス) id: 2737623305 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - はじめまして リオセスリの小説ありがたいです！しかも男主なのが最高です！更新頑張ってください！ (10月10日 9時) (レス) id: 20896eb70c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年10月9日 23時
