凡人と旦那様 5 ページ5
求められる事は悪くはない。欲するならば与えてやる…けれどその実、与えられているのは俺の方だ
『そういえば鍾離…お前の財布となっている男のことなんだがな』
「うん、なんだ……それは今すぐしなければならない話か？」
『あぁ』
肯定したAの瞳は明るい声色とは比例しておらず、冷たい色を宿していた。怒っているのか？…どうしてこうも此奴は嫉妬深いんだ
『もう俺以外に金を払わせるのは止めろ』
どんな事を言われるのかと身構えていれば、拍子抜けする内容がAの口から放たれた。思わず目を瞬かせていれば手首を掴む手に力が込められ自身の骨が軋む音がする
『今後一切、他人にお前を貢がせるな。欲しいものがあるならば俺に言え。手持ちがなければ俺を呼べ、何かあったなら、まず真っ先に俺の名を口にしろ』
「つまりお前は…他人が俺に奢る事すら許せないと、そういう事でいいな？」
『…そうだ…お前が頼れる者が居るというのは良い事なのかもしれん。だが、如何せん…俺以外を頼るお前を見るのは、気分が悪い』
まさか公子殿にモラを払って貰っている事にすら嫉妬するとはな…度が過ぎると言ってしまえば良いのだが、俺もそうなのだから仕方がない。俺たちは、他者に何一つ渡したくない。不可能な事は分かっていても、骨肉、血液の1滴まで全て己のものでなければ気が済まない
此奴の最期まで目に映るのは俺であり、俺の最期に目に映るのは此奴だ。そうでなければならない…そうでなければ気が済まない
「良いだろう。ならば早速、手に入れたいものがあるんだが共に来てくれないか」
『…今からか！？』
「夜は昼に比べて人通りもないからな。お前が目立たなくて丁度いいんだ」
『ぐっ…くそっ……分かったわ！支度して待っておれ！一千万でも幾らでも使うてやる！』
文句を吐き捨てながらA服装を整える。俺は服のシワを軽く叩き伸ばして先に玄関へと向かった。部屋の中、何処を歩いてもフワリと匂うAの香り
「…A」
『ん、なんだ？…もう少し待て』
名を呼べば必ず返事が返ってくる。手を伸ばせば届く場所に温もりがある。嗚呼そうか…何故忘れていたのだろう
「……俺はモラは持っていないぞ」
『分かっておるわ！！』
「そうか…ハハッ、そうだな」
続く (更新停止中)
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風船ガム - こころさん» こちらこそコメントをありがとうございます！励みになります！……鍾離先生はなんやかんやと言いながら満更でも無く、押されっぱなしでは無いかなぁ……と！( ･ㅂ･)و ̑̑ (8月12日 16時) (
レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - ふぁ？！返信ありがとうございます！今回の更新神ですか？え？神ですよね？え？鍾離先生撫でられてる！って思ったら押し倒したんですが？え？…好きですぅ… (8月6日 3時) (レス) @page4 id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - こころさん» コメントありがとうございます！……タルタリヤは良くやりましたw(｀・ω・´)ｷﾘｯ。押される鍾離先生いいですよね…！更新頑張ります！ (8月5日 17時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 初コメ失礼します。まず最初に…タルタルソースよくやった！もうそこで一生いちゃらぶしといて欲しいです…押される（色々）鍾離様…いいですね…もーこういう鍾離様好きです…補給ありがとうございます…更新無理せず頑張ってください！ (7月31日 6時) (レス) @page3 id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - しろむくさん» お返事遅れて申し訳ございません、コメントありがとうございます！……こういう鍾離が中々居ないので書いたもん勝ちだと思いまして……更新頑張ります (7月29日 19時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年7月18日 19時
