凡人と旦那様 4 ページ4
『…さて鍾離、おいで』
「……はぁ」
共に住む事を決めた途端ソファに腰をかけ自身の横を叩きAは笑顔を浮かべる。座れと、そういう事だ。断ろうにも断る理由がない…下手な言い訳は此奴の機嫌を損ねるだけだ。素直に従い腰を下ろせばAは可笑しそうに目元を緩め口元を手で隠す
『素直に来るのだな』
「…断る理由がないからな」
俺がそう答えればAの表情はまた変わった。愛おしそうに歪められた瞳が真っ直ぐと俺を捉え、口元を隠していた手が髪を優しく撫でてくる
「どうした？」
『いや、ただただ……愛おしいと思うてな』
「なんだそんな事、今更じゃないのか？」
『っはは、そうさな。今更であった……なぁ鍾離、俺が居ない間の璃月での事を話してくれ』
「お前なら全て知っているんじゃないのか？態々説明なんてしなくとも」
『お前のこの口から聞きたいんだよ』
二度手間ではないのかと言おうとするが、髪を撫でていた手が徐ろに頬を撫で…そして親指で唇を撫でられる。驚嘆し思わず手を弾くがAが怒る事はなく、柔い声で鍾離、と俺の名を呼んだ
『他人から聞いた事で全てを把握したくない……お前から全てを聞きたい。お前の言葉が俺の全てだ』
「……よくもまぁそんな恥ずかしい事を平然と言えるものだ」
『他人の言葉を聞き入れるなと言われたからなぁ』
「まぁ良い…まずお前がこの国から姿を消した後━━━━」
これ以上何か言っても羞恥に駆られるのは俺の方だ。言われた通り、俺はAが消えてからの璃月の事を一から全て話す。何一つとて包み隠す事はしない……そんな事をする必要はない。Aは俺の言葉1つ1つに耳を傾け、真剣に話を聞いている。時折入る相槌の声は……この上なく甘い。嗚呼、そうだ……そうだったな…俺はお前のこういう些細な仕草さえも、何一つ他人に奪われたくなくてああ言ったんだった
昔の事を思い出しながらも会話は続く。旅人が稲妻へ旅立った所で話を終えればそれまで黙って聞いていたAはふと俺に問いかけた
『俺が璃月に仇なす者となったなら、お前はどうする？』
「其れを聞いてどうする」
『何となく、気になっただけだ……だが、答えて欲しい』
試しているのかはたまた本当に気になっただけなのか……何れにせよ俺の答えは一つだけ…横に座るAの胸元に掌を当てそのままソファに押し倒す。「その時がきたなら…既に俺はこの世に居ないんだろう？」と囁けばAは苦しそうな笑顔を浮かべ俺を強く抱きしめた
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風船ガム - こころさん» こちらこそコメントをありがとうございます！励みになります！……鍾離先生はなんやかんやと言いながら満更でも無く、押されっぱなしでは無いかなぁ……と！( ･ㅂ･)و ̑̑ (8月12日 16時) (
レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - ふぁ？！返信ありがとうございます！今回の更新神ですか？え？神ですよね？え？鍾離先生撫でられてる！って思ったら押し倒したんですが？え？…好きですぅ… (8月6日 3時) (レス) @page4 id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - こころさん» コメントありがとうございます！……タルタリヤは良くやりましたw(｀・ω・´)ｷﾘｯ。押される鍾離先生いいですよね…！更新頑張ります！ (8月5日 17時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 初コメ失礼します。まず最初に…タルタルソースよくやった！もうそこで一生いちゃらぶしといて欲しいです…押される（色々）鍾離様…いいですね…もーこういう鍾離様好きです…補給ありがとうございます…更新無理せず頑張ってください！ (7月31日 6時) (レス) @page3 id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - しろむくさん» お返事遅れて申し訳ございません、コメントありがとうございます！……こういう鍾離が中々居ないので書いたもん勝ちだと思いまして……更新頑張ります (7月29日 19時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年7月18日 19時
