閉じ込められて愛される、えちえちなお部屋【短編集】

愛してるゲームをしないと出られない部屋【嘴平伊之助】 ページ3

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「よ、ようやく平和な…」







寝台で爆睡する伊之助くんの手に握られている紙。



そこには『愛してるゲームをしないと出られない部屋』と書かれていて、私は安堵の息をついた。





現在この白い部屋に閉じ込められて三回目。




今まで二回、自分より歳下の男と密室に閉じ込められてきているが、どちらも最悪だった。



一回目は腰が抜けるまで接吻されて、二回目は果てるまで耳を犯 された。





だが、今回はそんな身体に触れるお題ではない。







今回こそ、平和!







「……んあ? なに一人で拳掲げてんだ、ほわほわ柱」



「何でもないよ…伊之助くん」







「ん!」と言いながら被り物を外して、目を瞑る。


いつもの「撫でて」という仕草だ。




だが、「愛してるゲーム」なるものをしなければ、この部屋から出られる事はない。




まぁ、勿論撫でるくらい減るものではないので、撫でてあげるのだが。





紙の裏に、『お互いに愛してると言い合って、先に照れた方が負け』と書いてあったので、早く済ましてしまおう。








「伊之助くん。私達、この部屋に閉じ込められたみたいで、お互いに『愛してる』って言い合って、どちらかが照れるまでここから出られないんだって」



「そーかよ。これはこれで、いいんじぇねえって思うがな!」



「駄目だよ!!」







……全く、調子が狂う。


それは、まるで告白の言葉みたいではないか。








「とにかく、やるからね。“愛してる”」








整った伊之助くんの顔を見詰めながら、まず一度言ってみる。



遊びだとは分かっているが、どうも小っ恥ずかしくなってしまう。





早く終われ早く終われ…!








「…愛してる!」








何故か喧嘩腰で返してくる伊之助くん。申し訳ないが…恥ずかしくない。









「愛してる」



「愛してる」



「愛してる」



「愛してる…って、終わんねえじゃねえかよ! さっさと照れろや!!」









伊之助くんの言う通り、全然終わらない。



お互い、照れる気配すらない。





…それなら、少し台詞を変えて!









「愛してる、伊之助くん!!」









「これでどうだ」と思い見てみるが、全く効いていないようだ。





だめだぁぁああ…照れさせられる気がしない。



もう、無理矢理にでも照れてやろうかな。よし、そうしよう。





絶対に次こそわざとでも照れて……

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