接吻しないと出られない部屋【竈門炭治郎】 ページ1
*
目を覚ますと、そこは真っ白な部屋だった。
寝台と扉が目の前にあって、嫌な予感がした。
昨晩はしっかりと自身の屋敷で寝た筈なのに。
こんな部屋、私の屋敷にはないのに。
なんでこんなおかしな部屋に居るのだろう。
寝台に近寄ってみると、そこには炭治郎くんが寝ていた。
立派な天蓋付きの寝台で、大きさもかなりある。
炭治郎くんの家にもこんな寝台はないだろう。
一体、ここはどこなんだ……?
「んぅ…」
炭治郎くんは目を覚ましたようで、目を擦りながら一つ欠伸をする。
…これ、起きたらびっくりしそうだなぁ。なんせ、柱であるの前で寝てるんだから。
と、そこでくいっと羽織の裾が引っ張られた。
可愛いなぁ、と思って彼の顔を眺めていると、薄目を開けて呟いた。
「…ねず…こ……」
すると、今度は強く裾を引っ張られて―――
ちゅ、と接吻された。
……え、えぇ!? なに!? なにこの兄妹!! 絶対おかしいって!!
「……あれ、Aさ」
「ば、ばか…っ、ばか炭治郎……くん」
真っ赤な顔をした私に対して、炭治郎くんは物凄い勢いで後ろに下がっていって、そのまま寝台から落下する。
だが、心配して彼の方に行く事はできない。
だって、今…接吻…されて……それに、初めて……だったのに…
「ばか、ばかばかぁあああ!!」
ギィ、と扉が開く音がした。
よく見れば、そこには紙が貼ってある。
『接吻しないと出られない部屋』
そう書いてある紙が。
なに? 結局接吻しなきゃ部屋は出られなかったって事?
刀もないから、多分実力行使も無理だから?
……それでも、やっぱり私の初めてを奪ったのは許せないから。
「ばか…ばか、たんじろ」
「す、すみませ…!!」
そして外に出ようとした時、また裾を掴まれる。
何回目…!
「な、なに…!」
「……さっきの、初めてでしたか?」
ぞくり、と背筋が震えた。いつもとは違う。
いつもの優しい炭治郎くんではない。
男の人の眼をしている。
「…そ、そうだけど……悪い?」
「嬉しいです。貴女の初めてが、俺のものになって」
そして、もう一度接吻をされる。
寝台に押し倒されて、深く舌を絡めて…
部屋を出たのは、その日の夜だった。
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松野一松(プロフ) - リクエストで無惨様で玩具で放置お願いします! (2021年11月7日 2時) (レス) id: c5fee6d4ac (このIDを非表示/違反報告)
水柱が大好きです! - リクエスト良いですか?義勇で玩具でお願いします! (2020年3月16日 17時) (レス) id: a75ba4312e (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - すっごくドキドキしちゃいました笑 リクエストはまだ受け付けてますか?可能でしたら、しのぶちゃんに攻められてみた、伊黒さんでお風呂&無惨でビヤクをお願いできますでしょうか?? (2020年3月7日 10時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - pinkさん» 了解しました! (2020年2月21日 16時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - sakiraさん» 了解しました! (2020年2月21日 16時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
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