貴女を。 ページ32
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子供達を置いて襖に飛び込み、Aの匂いを辿って来たらこの様だ。
「やあぁ、っ…見ないで、え……!」
酷く蕩けた顔を涙でぐちゃぐちゃにして、Aは乞う。
背後にいる鬼無辻無惨との結合部を、震える手で隠しながら。
周りには何人もの血塗れの赤ん坊。
まるで、産まれたばかりの様に泣き叫んでいる彼等の額には、尖った角が生えている。
まさか、今…出産させた、という訳か? 行為を強要しながら……?
―――そう考えてしまえば後は早かった。
腹の底から湧き出る怒りのままに俺は鬼無辻に斬りかかる。
だが、奴は澄ました顔でAを振りかぶった刀の軌道上に移動させ、首を露わにさせる。
刀はどうにかAの首を斬るのを避け、腕を斬り飛ばすに終わった。
「貴様!!!!」
「…もうこいつは要らない」
鬼無辻はAを俺の方に放り投げる。
一糸纏わぬの彼女の体に自分の羽織を掛けてやると、Aは小さく縮こまって、俺の羽織をきつく抱いた。
「結局、人間と鬼の血を両方持つ子供でも、太陽を克服することは出来なかった。
それに加え、彼女は私を拒む様になった。私を愛さないのであれば貴様は不必要だ。
その人間とでも暮らすと良い。私から言うことは以上だ。去れ」
ベン、と一つ琵琶の音がした。
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久遠(プロフ) - 日光☆さん» ハッピーエンド…なんですかねあれw でも、ハッピーエンドとして読んでいただけたのならよかったですあれハッピーエンドだと思って作ったのでええ。五回もコメントしてくださって、ありがとうございました!貴方の存在が結構支えだったり…ありがとうございました!! (2019年12月23日 22時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - 最後ハッピーエンドだったので良かったです!お疲れ様でした!また作品作るの頑張って下さい! (2019年12月23日 22時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - そうなのか…これからも頑張ってください! (2019年12月23日 16時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 日光☆さん» あはは…独占型+排除型から崇拝型とか依存型になっただけみたいな感じですからねぇ…四回目、ありがとうございます (2019年12月23日 16時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - 義勇さんマシになったけど、やっぱ怖いわ (2019年12月23日 16時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠 | 作成日時:2019年12月16日 11時