逃げて。 ページ15
*
久し振りに無限城へ戻ってきた。
義勇さんに散々抱かれた後、鳴女によって私は無限城へ無理矢理戻されたのだ。
腕には胡蝶の亡骸。
…どうか安らかに、人間達の元で眠れるよう、教祖様にでも頼もうかな。
「…ただいま戻りました。鬼無辻様」
嗚呼、戻ってきてしまった。
鬼無辻様は腕を広げて、ここへ来いと言わんばかりの態勢で私を待っている。
…本当は相当怒っている筈のに、非常に嬉しそうな笑みを浮かべて。
「よく戻ってきたな、A」
そっと抱きつけば、鬼無辻様も優しく抱き寄せてくださって―――自然と口付けを交わした。
私が義勇さんと出会うきっかけを作ったのは、彼。
私を育てたのも、彼。
私の初めてを全て奪ったのも、彼。
「君が“身籠った”その二人の子は、大事に育てると良い。
私ではない男との子だが…大目に見よう。人間との子だ。日光について、可能性がある」
やはり。
昨晩の行為の後から、自分の胎内に二つの生命の気配を感じていた。
彼らは、鬼と人間の血を持った、私と義勇さんの子供。
「共に、太陽の元歩けるようになる日も、そう遠くはないかもしれないな」
早く堕ろしてしまいたい。
でも、鬼無辻様に期待されてしまったのだから、絶対に堕ろせない。
彼は私を求め、私も彼を求めてしまうのだから。
義勇さんのとは違う、本当の愛が存在するのだから。
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久遠(プロフ) - 日光☆さん» ハッピーエンド…なんですかねあれw でも、ハッピーエンドとして読んでいただけたのならよかったですあれハッピーエンドだと思って作ったのでええ。五回もコメントしてくださって、ありがとうございました!貴方の存在が結構支えだったり…ありがとうございました!! (2019年12月23日 22時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - 最後ハッピーエンドだったので良かったです!お疲れ様でした!また作品作るの頑張って下さい! (2019年12月23日 22時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - そうなのか…これからも頑張ってください! (2019年12月23日 16時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 日光☆さん» あはは…独占型+排除型から崇拝型とか依存型になっただけみたいな感じですからねぇ…四回目、ありがとうございます (2019年12月23日 16時) (レス) id: fa9adaf89c (このIDを非表示/違反報告)
日光☆(プロフ) - 義勇さんマシになったけど、やっぱ怖いわ (2019年12月23日 16時) (レス) id: 8aed0398ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠 | 作成日時:2019年12月16日 11時